2004 アジア・ジャパン沖縄オープン 2005

韓国のチャーリィ・ウィが好発進

風が、時間を追うごとに強くなる。次第に勢いを増していく。
「特に、練習日まで北東だった風むきが、今日は北北東に変わったこともあり、風の読みに苦労したよ」と顔をしかめたが、前半の18番でグリーン奥からチップインパーを拾うなど、しぶといプレーでボギーなしの65。

6アンダーで初日好スタートを切ったウィは、アジアンツアー賞金ランク9位の選手だ。
だが今回は、開催国側のツアーでの資格が優先されるため、昨年大会2位タイの資格で出場している。

年をまたいで今年の開幕戦『東建ホームメイトカップ』では、プレーオフの末に2位。
昨シーズンは、今大会をふくめ2試合連続で日本ツアー初制覇を逃しているが、「あのとき負けたことが、かえって僕にとっては良かったんです」と、ウィはいう。

あのとき、頭から湯気もあげんばかりに悔しがった。その気持ちを、夢実現につなげた。

来季の出場権をかけた米ツアーの予選会。

今年、そのファーストステージから挑戦した。1次、2次と順調に勝ち上がり、いよいよ、今月初めに行われた最終ステージで26位に食い込んで、みごと2005年の切符を手に入れたのだ。

韓国出身ながら、ゴルフの腕は米国仕込みだ。
10歳のときカリフォルニアに渡り、11歳から本格的にクラブを握ると、17歳でカリフォルニアアマチュア選手権で最年少優勝。
バークレー大学時代の1995年には、タイガー・ウッズとともに、全米大学ゴルファーのトップ5を決めるオールアメリカンの一人に選ばれ、平均ストロークでウッズ、スチュワート・シンクに続く、ランキング3位に輝くなど、華々しい経歴を誇っていた。

昨年、ウィは苦笑いで言ったものだ。

「ウッズとは、ジュニア時代からずっと一緒に戦ってきたんだけどね、いまたとても手の届かないところに行ってしまったよ…」。

大学卒業直後のファイナルQスクールで1打足りずにつまづいてから、アジアや欧州を転々としたこの5年間。
長い年月を経て、ようやくウッズと同じ土俵に立てることになったいま、「遠回りしたとは思わないよ。むしろ、僕には必要な時間だったんだ、と」。
静かに話す表情は、確かな自信に満ち溢れている。


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