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アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2005

矢野東がプロ6年目の初優勝「もう勝てた、という気がしている」

1打差の4位タイからスタートした最終日は、前半に伸び悩んだ。1番で、3メートルのバーディチャンスを外し、3番では3パットのパー。

前日から引き続きショットの調子も悪く、球が左右に散らばっていた。
「流れが悪い」と、一度は諦めかけた。
だが意外と上位陣のスコアも伸びず、一時は首位に5人が並ぶ大混戦に、後半戦から再び矢野も名乗りをあげた。

ゲームの流れを大きく引き寄せたのは、16番パー3だ。
ラフから10ヤードの第3打を、パターで打ってバーディを奪った。
「ここから、優勝を意識した」。
その途端に激しく押し寄せたプレッシャー。
17番パー5で第3打をバンカーに打ち込んだが、今年9月ごろからいっそう磨きがかかったと実感していたバンカーショットには自信があった。
みごと1.5メートルに寄せ、3連続バーディで一気に引き寄せたプロ6年目の初優勝。

「やっと」という人もいるが、本人は「もう勝てた、という気がしている」という。

学生時代の同期に星野英正と、近藤智弘がいた。
プロ宣言した2000年。その年末に、ツアーの出場権をかけた予選会に失敗した矢野は、しばらく2人と比較されてばかりいたが「学生時代から、彼らのほうが明らかに実力は上だった。むしろ、比べてもらえて幸せくらいに思って、僕は僕のペースでゆっくりやろうと」。

プラスに捉え、一段ずつマイペースでのぼってきた階段は「順調だった」。
今回、優勝できたことは「むしろ早いほうだった」。
自分の力を冷静に見据え、地道に歩んできたこの6年間だったのだ。

  • 大会主催の読売新聞西部本社、池田孜・代表取締役社長より受けた深緑のチャンピオンブレザー
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