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アサヒ緑健よみうり・麻生飯塚メモリアルオープン 2005

広田悟「男冥利に尽きますね」

この日、片山晋呉との最終組は「チャレンジャーの気持ち。シンゴさんから、盗めるものは、全部盗もうと」。

いま、もっとも刺激を受ける先輩が、片山だ。
今年、広田の初優勝を予言したのも片山だった。
オフに合流した宮崎合宿で、片山が太鼓判を押してくれたのだ。

「今年、広(ひろ)ちゃんは2000万円は稼げるよ」。
当時はとっさに、「シンゴさん、何をご冗談を」とはぐらかしたが、その一言が広田に大きな自信をもたらした。
これを原動力に、6月のマンダムルシードよみうりオープンでツアー初優勝をあげた。
獲得賞金も、今では3000万円を超えた。

「シンゴさんの言葉がなかったら、今はない」と言うほど、信頼を置いている。
片山から教わることは数知れないが、いちばん見習いたいのは「真剣に、目の前の1打に向き合う姿勢」だ。

試合では初めてだったというこの日の同組ラウンドでそれを目の当たりにし、改めて肝に銘じた。
「俺も集中力を切らさないよう、頑張ろうと。・・・シンゴさんの前で“下手なところは見せられない”と、緊張しながらやれたのも大きかった」。

その片山と、並んで迎える“最終日最終組”は、かねてからの目標だった。
初優勝時は、最終組の2つ前からスタート。18番でバーディを決めて、先にホールアウトして結果を待ったが、それは広田の本意ではなかった。

理想の優勝シーンは、最終日最終組でまわって18番ホールで「これを入れたら決まり」というパットを決めて勝つことだ。
「・・・しかも、それをシンゴさんの前でできれば男冥利につきますね」。

夢実現のチャンスがめぐってきた。

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