Tournament article

アコムインターナショナル 2006

小山内護「もっともっと突き放していかなくちゃ!」

5年間悩み続けてきたパッティングは「びびって、空振りしたこともある」。そんな深刻な症状を救ったのは、昨年7月に握った中尺パターだ。

「振り子の感覚でストロークするには、肩をまわすしかない。中尺のおかげで、体のどこを動かせばまっすぐに打てるかが分かった」と、それから約1年間世話になったが、先週のANAオープン初日に思い切って手放した。

きっかけは些細なことだった。
テレビで、米ツアー見ていてふと気がついた。
「そういえば、上位で長いのを使っている選手っていない」。
そう思った瞬間に「中尺パターがかっこ悪く見えてきて・・・」と笑うが、そんなふうにあっさりと短い丈のものに戻せるほどに回復していたということだろう。

2週前、知り合いのプロにスイングのヒントをもらって「思うところに球が出る」。この日フェアウェーを外したのはわずかに2ホール。ショット、パットともに絶好調で単独首位に躍り出た。

発奮材料もある。
ツアー初Vをあげた98年のサントリーオープンでバッグを担いでくれた妹・優代さんが、今年7月の女子プロテストに合格した。

兄の優勝シーンに感動してゴルフを始め、約8年の歳月をかけて夢をかなえた。
「プロになりたい」と相談を受けて以来、何かと厳しく指導してきたつもりだが、「全然だよ、マモは強烈甘いよ」と友人に笑われたこともある。

目に入れても痛くない可愛い妹が、自分と同じ土俵に上がってきたからには、うかうかとはしていられない。
「徐々に近寄ってきてるから。もっともっと、突き放していかなくちゃ!!」。
7年ぶりのツアー通算3勝目は、兄のプライドでぶつかっていく。

関連記事