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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2006
藤田寛之「僕から頑張ってください、なんて言えないから」
お揃いのベンチコートを羽織って選手全員が横一列に並び、ひとりひとり名前を呼ばれ、花束が贈られるのがならわしだ。
未勝利ながら、藤田は今年賞金ランク14位(国内のみの獲得賞金)につけた。
2年連続6度目の出場を果たし、この晴れ舞台に立てたことはもちろん光栄だ。
しかし、その一方で「今年の自分のゴルフでそれはどうなんだろう」という気持ちもある。
試行錯誤の1年間だった。
「自分がなりたいスイングイメージとのブレがある」。
その誤差を埋めるために、「もがき苦しんできた」からだ。
「勝てなくても賞金ランクが良いんだから良いじゃない、といってくれる人もいるけれど。周りからのイメージは、ランキングだけの評価だけだったりもするんだけれど・・・」。
自分としては、このまま終わりにしたくない気持ちが大いにある。
「最後、優勝できたらオフはどんなに楽しいか・・・」。
幸い、ここに来て課題のショットが上り調子。
5アンダーの首位タイは絶好のスタートに、「終わり良ければすべて良しと行きたい」と、つぶやいた。
ようやく、今季初優勝を狙う気持ちになれたその一方で、ひとつ気がかりなこともある。
茨城県のセントラルゴルフクラブで、ファイナルQTに挑む師匠の戦いぶりだ。
前日水曜日から始まった来季の出場権をかけた“予選会”の芹澤信雄のスコアが毎日、気になって仕方ないが「僕から偉そうに、『頑張ってください』なんていえないから」。
せめて自らのプレーで、師匠にエールを送る。