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マンシングウェアオープンKSBカップ 2006

藤田寛之・ディフェンディングチャンピオン

豪快な飛距離はゴルフの醍醐味のひとつだが、球を自在に操る職人技や巧妙な寄せ、魔法のようにどこからでも入れてしまうような奇跡的なパッティングもまた大きな魅力だ。
ディフェンディングチャンピオンはその代表選手、藤田寛之。

師匠の芹澤信雄は以前、もうひとりの愛弟子・宮本勝昌とを比較しながらこんなことを言っていた。

「宮本は飛距離も出るし爆発すれば、賞金王も狙える選手だが、藤田はコツコツ稼いで、長くシードを守っていくタイプ。藤田には藤田の持ち味を存分に生かしたゴルフをしてもらいたい」。

本人も自覚している。今年の開幕戦で、「僕は横綱を狙える選手ではない。でも、大関くらいならなれると思う」と言った。
身長168センチ、体重70キロ。体格も小柄な藤田は、それをひがむわけでもなく、かといって背伸びするわけでもない。
飛ばないが、正確無比なショットとアプローチ、パッティングを駆使して自分にできる最高のパフォーマンスを模索している。

「スコアも大事だけど、同時にプロはゴルフの内容も大切にするべき。納得できるショットを打ちたい」と、いまはスイングの改造中。
このオフも「家族に怒られるくらい、ゴルフばっかりしていた」と、地道に練習を積む姿はまさに職人そのものだ。

「こう見えて僕、精神的にけっこう強いんです。競り合ってきたら、本能が出る。いざとなったら、精神的なもので体を動かしていける」という藤田。
控え目な性格から、声高に連覇を叫ぶことはないだろうが、秘めた闘志は相当なものだ。



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