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UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2006
藤田寛之「予選通過も危ない位置から」コースレコードタイ記録
「このコースだし・・・」今回ばかりは予選落ち確定だろう、とさすがの藤田もいちどは覚悟を決めたのだ。
だから前夜、妻・優合子さんとも電話でこんな会話を交わした。
「明日は、帰ってからゴハンを食べるよ」と藤田が言うと優合子さんが驚いた。
「え? 帰ってくるの」
大会3日目の7月1日は、大稀(ひろき)君の3歳の誕生日。
自宅でお祝い、のつもりが思いがけず、週末もコースに残ることになった。
コースレコードタイの63でまわって通算2アンダーは単独6位だ。
会場入りしてから、コースの特性に合わせてフェードボールを打つ練習をしていた。しかし、「インパクトで体が開きすぎて、うまくいかない」。
大会初日に出遅れた大きな原因だった。
さっそく師匠の芹澤信雄に電話して相談。
「無理してフェードを打とうとしないで、体の回転を打っていけ」と言われて、「180°イメージを変えました」。
それが、この日のボギーなしの7アンダーにつながった。
プロ15年目の37歳、シード9年目、ツアー通算5勝。
このオフは、ますます自覚をもって、例年以上に厳しいトレーニングや練習に打ち込んだ。
「これだけやった」という自負があっただけに最近、自分に厳しすぎたかもしれない。
「あれだけやったのに、というもどかしさ。成果が返ってこない。自分の力はこんなんじゃないって、自分にプレッシャーをかけすぎていたかもしれない」。
だから今週は「少し手綱を緩くして・・・」。
この難コースなら多少、自分を多目に見るつもりでちょうど良いかもしれない。