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日本プロゴルフ選手権大会 2006
矢野東「ファンの人も待っていてくれる」
激しい雨が降りしきる中、「今日は(コースが)長すぎ。ウッドばっか使いましたよ」と顔をしかめつつ、近藤(=写真上)がねばった。
242ヤードと距離の長い16番パー3で、バンカーからチップインバーディ。次の17番こそマンホールで球が跳る不運でボギーとしたが、「あがり3ホールはイーブンパーならアンダーパーで回れたみたいなもの」。
目標にしていた通算10アンダーには届かなかったが、「耐えた1日」と、納得の表情だ。
「明日は、前半でチャージをかけられたら・・・気合で頑張る」と意欲を燃やす。
「ハマれば、勝つ手ごたえはある」と、自信をのぞかせるのが星野だ。
誰もが嫌がる悪天候も、「僕は雨のほうがむしろ、良いくらい」と言ってのける。
コーチの江連忠に、「ショットは非の打ち所がない」と絶賛された。課題のパットも、レーザーを使ってストロークのズレを修正できる新兵器の練習器具を手に入れてから、がぜんのぼり調子だ。
「ハマる瞬間がいつ来るのかな、というくらい良い状態。だからかな、雨がぜんぜん気にならないんです。傘差したり、グリップ拭いたり、普段よりは忙しいラウンドにはなるけれど。ゴルフに自信があるから、なんてことないって思える」。
東北福祉大時代にアマタイトルを総なめした王者が自信を持って次に狙うのはプロ日本一の座だ。
初日、2日目と首位に立った中田(=同中)は、スタートの1番でボギーにしながらも、耐えに耐えた。「スイングに課題があって。納得できるところまでは行ってない。本調子でないところが出てしまった」。
シビアなショットを要求される難しい17番でダブルボギーとしたものの、通算6アンダーは「まだ諦める位置ではない」。
同期たちに負けじと、優勝争いに加わった。
高山も、近藤も星野も中田も、そして矢野(=同下)もみな今年29歳。
「できるだけ早くツアー2勝目が欲しい。日本プロだから、というわけじゃなく、どの試合でも勝ちたい」という矢野は、「みんな勝てる力を持ってるし、この中で誰が勝っても嬉しい。そろそろ僕ら20代が活躍しないと、みんな飽きちゃう。・・・ファンの人も、待ってくれてるはずだからね」。
自覚を持って、世代交代の波を引っ張っていく。