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東京ドームカップ 2006
チャレンジ賞金ランキング1位 「小野貴樹」
小野は、チャレンジ第2戦のエバーライフカップチャレンジで初優勝すると、次のPGA・JGTOチャレンジIでも2位となり弾みをつけ、その後も最終日に追い上げるプレースタイルで、SRIXONチャレンジでの2勝目を含むいくつかの試合で、追い上げてスコアボードに名前を連ねる実力派、という印象を強く焼き付けた。
小野は甲子園を目指して小学校4年生から野球を始め、横浜商業高校に進んだ。在学中に3回の甲子園出場を果たしたが、レベルの高いチームの中ではいつも補欠だった。当時は身体も細く「向いていなかった」と振り返る。また、勉強の成績も思わしくなく、しかし、スポーツを続けたいという気持ちは強く持っていた。
高校3年の後半に入り、野球も引退して進路に迷っていたとき、お父さんからゴルフを勧められた。「父はゴルフをしないのに、僕のために考えてくれた」という、子どもを想う親心が小野に新たな道筋をつけてくれた。そして父が示してくれた「ゴルフ」という進路により、小野に迷いはなくなった。
高校を卒業してすぐに、山口県のゴルフ場で研修生として修行を始め、22才で茨城県のゴルフ場に移籍。そして26才でプロテストに合格。その資格でクォリファイングトーナメント(QT)に出場してプロトーナメントの舞台に足を踏み入れた。
しかしプロの世界はそう甘くはなかった。昨年までに出場できたツアートーナメントは僅か5試合。チャレンジトーナメントで予選は通過するものの、上位に食い込むことは簡単ではなかった。今年のチャレンジトーナメント開幕戦のPRGR CUPも現地ウェイティングはしたものの、待機順位2番のために出場をすることができなかった。
しかし小野は、2戦目のエバーライフカップチャレンジで、その「悔しい思いをバネ」に優勝。そして今日の活躍につなげてきた。
この時の優勝で「このゴルフでいけるんだという自信につながった」と言うように心も強くなり、その後、秋のSRIXONチャレンジでも優勝を導いた。
小野は、チャレンジで一緒に1年間戦ってきた矢部直弘と鈴木康正と行動をともにし、一緒に練習して教えあいながら切磋琢磨してきた。「みんなでがんばった」という小野は、「一人ではここまで来れなかった」といい、仲間でありライバルたちへの感謝の気持ちも忘れない。
小野は昨年までの自分と今年を比較して、「以前はドライバーが曲がり、パターは入らなかったが、苦手がなくなった」と分析する。そして今年の自身の長所を、「アイアンショットでピンの近くにつけられる自信。それが僕の生命線」という。
来季のツアー出場に向けて、「スコアや賞金などの数字に拘らず自分のゴルフをどれだけ出来るか」と、期待を胸にフル参戦する予定。
来年のツアー出場に向けて小野は、「身体を作り直して戦えるようにしたい」と、体力づくりと練習に励み、沢山のギャラリーの前で、切れの良いアイアンショットで沸かせるつもりだ。
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