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三菱ダイヤモンドカップゴルフ 2007
横尾要「今年、唯一の連覇のチャンス。頑張ります」
ホールに沿って密集する黒松の林。狭いフェアウェー、砂地に生い茂る深いブッシュ。すぐそばの鹿島灘から吹き付ける強い海風をして難攻不落と言われている。
苦手意識を口にする選手が多い中で、「ラインを出して打っていけるから、僕は良いイメージが出るんですよ」と横尾。
そうきっぱりと言ったあとで、照れたように続けた。
「・・・まあ、だからといって結果がついてくるか分からないけどね」と苦笑したが、うかうかしていられない事情がある。
先週のマンシングウェアオープンKSBカップで最年少優勝を達成した15歳の石川遼くん。興奮の余波は、今週も依然として続いている。
横尾も「彼の年であれだけのゴルフができるのは、素晴らしいこと」と絶賛しながらも、「あれだけ、男子ツアーがメディアで取り上げられたのだから、ここから僕らが頑張らなくちゃいけない」と、いっそう気が引き締まる思いだ。
それだけではない。
実は石川くんは、横尾要が2003年から主催している「全国小学校ゴルフ選手権・横尾要カップ」の歴代チャンピオンでもあったのだ(2004年小学5、6年の部)。
そんなこともすっかり忘れていた横尾は、改めて石川くんの活躍を喜んだ。
大会の表彰式で、いつも横尾は子供たちに話している。
「まず、ゴルフを楽しもう。そして、ゴルフをさせてくれる親に感謝しよう」。
それを地で行く石川くんの立ち振る舞いが嬉しい。
「・・・騒がれすぎて、ダメになっちゃうようなことには絶対にならないように周囲にはお願いしたい」としみじみと語っていた横尾が、ふと我にかえった。
「なんて、人の心配をしてる場合じゃない! 連覇のチャンスは今年1回しかないし、明日から僕も頑張ります!」と、改めて気合を入れていた。