この日初日は「珍しい」ことづくしだ。グリーンを外したのは８番の左カラーくらい。「今日は珍しいくらいグリーンに乗った」。
ほとんどフェアウェーを外さなかったばかりか、トラブルといえるトラブルがなかったことも久しぶり。
「しかも、ボギーなし。こんなに浮き沈みのないゴルフも、僕には間違いなく珍しいこと」と、妙なところで自信満々。

「ベタベタチャンスについたわけでもない。かといって、大きなピンチもない。“あれ、あいついつの間にかスコアがいいね”というような･･･。目立たないけど、危なげないゴルフはなかなか狙って出来るもんじゃない」。

それが実現できたのは、先週のＵＢＳ日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズがきっかけだった。
狙いどころの狭いフェアウェーは、少しでも油断すればすぐに深いラフにもぐりこむ。
「球を曲げたら終わりという状況で、慎重に慎重を重ねてプレーするうちに、フェアウェーキープがいかに大事か分かった」という。

多少、飛距離は落ちても「許容範囲」をキープすること。
ひとまずパーオンして、その中でチャンスを取るゴルフ。
それが「引き続き今週も出来ている」という。

６アンダーの単独２位スタートは、しかし不安で一杯だ。
何しろ本人曰く、「僕らしくもない。珍しいことばかり」が重なったのが初日のラウンドだ。

「明日は当然、意識しちゃうから。そうなると、この流れを保つのは非常に難しいから。明日に備え、今日はこれからアプローチを一杯練習しておきます」。
この日の反動で、グリーンを外しまくっても大丈夫なように･･･。
たとえ初日は好調でも、備えあれば憂いナシだ。

• 久保谷 健一