Tournament article

日本オープンゴルフ選手権競技 2007

藤田寛之「チャンスがなくはない」

同組の上平栄道(左)も、藤田のアンダーパーには「さすがです!」
含み笑いが止まらない。「だって楽しくて仕方ない」。ショットもパットも、すべてが思い通りに打てる。「ナイスショットがちゃんとバーディチャンスになる」。11番で7メートル、15番は6メートル。長いパーセーブも面白いように決まる。

この日アンダーパーをマークしたのは、藤田(=写真右)を含めてわずか3人。
「みなさん、つらい思いをされているのに・・・僕だけ楽しい思いをしてすみません!」と頭を下げたしぐさに余裕が漂う。

そんな藤田もこの1ヶ月間は「ずっと泣いてた」。
どんなに練習しても、思うような成果が出ない。
それが今週、一転して復調の要因は8日月曜日の練習ラウンドだ。

弟弟子の宮本勝昌らも含め、石川遼くんとのプレーに、師匠の芹澤信雄が駆けつけた。
今季、ツアーの出場権さえない芹澤には、今大会の出場権すらなかったが、「もう1ヶ月もお前らのゴルフを見ていないから」と、わざわざスイングチェックに来てくれたのだ。

どんな薬よりも効果のある師匠の“処方箋”。本番直前に、あっという間に理想のスイングを取り戻した。
「今週は、コースのことよりも、自分のやりたいショットができることが嬉しくて」。
この難コースで日に日に調子をあげて、通算1オーバー5位タイは、首位と6打差。
「明日はもちろん、自分のスコアと相手次第だけれど。このコースなら、チャンスがなくはない」。
虎視眈々と初タイトルを狙う。

関連記事