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日本オープンゴルフ選手権競技 2007
手嶋多一が今季国内2戦目
初日、好スタートを切っても、なぜか2日目に大崩れする悪循環に次第に心の余裕をなくし、予選カットラインばかり気にするゴルフになってしまったと振り返る。
加えて、慣れない環境にも戸惑った。
ほとんど毎週のように違う国で戦う。国境を越える旅の連続は、体調管理も難しい。
また「毎週、初めて回るコースにも、順応しきれなかった」という。
「厳しい環境に、自分の力が出し切れなかった…。それがすべてですね」と、肩を落とした。
現在、賞金ランク145位はシード権はもちろん、来季の出場権を決めるファイナルQスクールの出場権の確保も危うい。
このあと、国内は昨年ツアー通算5勝目をあげたブリヂストンオープンに出場したあと、とりあえず再び渡欧する予定だが、「この順位では、残り試合にも出られるか微妙なところ」と、わずか1年でおそらく撤退せざるをえない状況だ。
「練習しすぎて、良いフィーリングが失われるのを避けるため」に、日本ではあえて練習を控えることが多かった。しかし、海外転戦中は「早く帰ってもすることがないから」と一転、練習の鬼に。
一時帰国して10日ばかりたった今も「そのクセが抜けない」と、この日水曜も18ホールの練習ラウンドをこなしたあと、打撃場で精力的に球を打ち「練習しないプロの汚名返上です」と笑ったが、本音は別のところにある。
6月のミズノよみうりクラシックに続いて、今季2戦目。
「…やっぱり、久しぶりの日本でかっこ悪い姿は見せたくないじゃないですか」。
自分にプレッシャーをかけることを嫌がって、あまり大きなことを言わない男が珍しく言い切った。
「今週は、優勝争いがしたいです」。
海の向こう失いかけた自信を取り戻すには、2001年に続く2度目の日本タイトルしかありえない。