Tournament article

ゴルフ日本シリーズJTカップ 2007

石川遼くんも今季ツアー最終戦

5月。涙の初優勝
その年の優勝者と、賞金ランク上位25位までの選手だけが出場を許されてきたこの最強プロ決定戦。16歳が、44回という長い歴史を動かした。プロだけに限定されていた出場資格が今年、変更された。今大会にアマチュアが出場するのは大会史上初めての快挙だ。

5月、ツアー初出場のマンシングウェアオープンKSBカップで史上最年少優勝を達成。
9月、2戦目のフジサンケイクラシックで15位タイの成績をおさめて、「今回はまぐれではなく自分の実力でプレーができた」と、胸を張った。
同月のコカ・コーラ東海クラシックでは、難攻不落の三好で4日間プレーして、充実感を漂わせた。

しかし10月、日本オープンで予選落ち。
さらに翌週、自身初の2週連続出場に挑んだブリヂストンオープンで、最下位での予選落ちに涙をのんだ。
「何でこんなに打ってしまったのか・・・。自分でも分かりません」と呆然とつぶやいた。
それでも懸命に前を向き、「今週は調子が悪かった、で終わらせずこれで上手くなれる、と思ってやりたい」。

その言葉通り、翌月にはみごとに復活。

11月、世界の強豪が集う三井住友VISA太平洋マスターズとダンロップフェニックスで、2週連続の予選通過に成長ぶりを見せつけた。

石川遼くんが、今週のゴルフ日本シリーズJTカップに出場する。
今年、彗星のように現れて、ゴルフ界のみならず日本中を熱狂の渦に巻き込んだ王子が、並み居るプロに混じって今季のツアー最終戦を迎える。

「子供のころからテレビで見てきた」という夢の舞台。
「この大会に出られるなんて、まったく信じられない」と感激に胸を押さえ、「順位に関係なく、出場できることだけでも大きなチャンスと思って頑張りたい」と謙虚に話す一方で、予選落ちもなく、普段より出場選手が少ない今大会について「数学的に言えば、優勝する確率は高い試合ですよね?」と言ってニッコリ笑った。

初優勝のテレビ中継でアナウンサーがそう呼んだことからついたとも言われている「ハニカミ王子」の愛称も、近頃の堂々としたプレーぶりには、違和感を覚える人もいるかもしれない。
「最後20センチのパットまで油断できない」と本人も警戒を強める東京よみうりカントリークラブの18番パー3で、今年最後にどんな笑顔を見せてくれるか。
  • 9月。ツアー2戦目のフジサンケイでローゥエストアマ獲得に「まぐれではなく自分の実力でプレーできた」
  • そして11月のダンロップフェニックス。憧れのイアン・ポールターと初対面、またポールターの日本初優勝に喜び2倍。そして今週、いよいよ最終戦!!

関連記事