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フジサンケイクラシック 2007

竹本直哉「普通にやってこのスコア」

片山と激しい戦いを繰り広げた7月のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズに続き、先週のKBCオーガスタで今季2度目の優勝争い。
まだシード権のないころから、わりと強気の発言で周囲を驚かせてきたが、最近は自信もついて、コメントもますます堂に入ってきた。
「今日は普通にフェアウェーに置いて、普通にグリーンに乗せて、普通にパットを入れてこのスコア」と、ことも無げに言った。

他の多くの選手が口を揃えるように竹本も、初出場を果たした昨年の今大会に比べ「ラフが短いし、グリーンは止まるし、飛ぶ人に有利なセッティング。トップは7アンダーくらいいきますよ」と話していたが、ボギーなしの4アンダーは、堂々の首位タイスタート。

15歳の石川くんが会場をにぎわせているが、「彼は彼で、気持ちよくドライバーを振ってもらっときましょう」とマイペースだ。

ちなみに竹本にとって、プレーぶりより気になるのは石川くんのプロ入りのタイミング。
「僕なら、すぐにプロになって今のうちに稼ぎまくるよ。それのほうが絶対に上手くなるし、勉強なら試合に出ながら学校に通えばいい。出来ないことはないのに、なんで石川くんはそうしないんだろう?」と本気で、クビをかしげたのには理由がある。

青春時代をアメリカで過ごした竹本は帰国後、ツアー出場優先順位を決めるクォリファイングトーナメントをファーストステージから勝ち上がるしかなかった。
いわば「底辺」から這い上がってきただけに、その苦労は身にしみている。
それだけに貪欲で、チャンスがあれば、すぐにでも掴み取るべきだというのがその考えだ。

今の石川くんには、すでにその道が約束されている。プロ転向すれば、すぐにも試合に出られるのだ。
だからつい「もったいない」という気持ちになってしまうようなのだ。

「そうしたほうが、絶対良いよ」と、力説していた竹本だったが、ふと思い出したように言った。
「・・・あぁ、でも彼はまだ15歳だもんね。そりゅあ、すぐに決められないよねえ・・・」。
改めてその若さを思い出し、石川くんがいま置かれている環境に思いを馳せていた。

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