Tournament article
フジサンケイクラシック 2007
谷原秀人「汗かき王子と、呼んでください」
石川遼くんが、史上最年少優勝を達成した5月のマンシングウェアオープンKSBカップは直接対決もできないまま姿を消した。
豪雨のため競技が一時中断した3日目の第2ラウンドで、同組の伊澤、片山とともに再開の合図が鳴る前にプレーを始めてしまった。このため同組の3人が揃って失格という失態をおかしたばっかりに、15歳の快挙も見ないままコースを去っていたのだ。
今回、改めてその石川くんを下して頂点に立ったものの、やっぱり手放しでは喜べない。
開催前から注目をあび続けた石川くんのプレッシャーは、相当なものだっただろう。
「本人も、初日は相当緊張したと言っていた」。
それでもアンダーパーをマークして6位タイで予選通過を果たし、15位タイにつけた石川くんを見るにつけ、つくづくと谷原は思う。
「自分が15のときは何してたかと聞かれたら、多分ろくなことはしていない」。
確かに自分たちプロと比べると「遼くんにはまだまだ経験が少ない。だけど15歳の若さでここまで出来る」。
このさき順調に育ったら、と思うと空恐ろしい思いがする。
「今週、遼くんは優勝に匹敵するくらい頑張った。素晴らしいプレーをしたと思う」と、最高級の賛辞を送った。
表彰式でインタビュアーに「谷原プロはファンにどんなあだ名で呼ばれたいですか」と聞かれて答えたのは、ハニカミ王子にちなんで「汗かき王子。でもなんか、爽やかじゃないですねえ」と笑ったが毎週月曜日には、吐いて倒れるほどのトレーニングを日課にするなど、いつも一生懸命でがむしゃらな谷原にはこれ以上ないネーミングかもしれない。
次々と台頭してくる若手に負けないように。これからも汗かきながら、頑張っていく。