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東建ホームメイトカップ 2008
手嶋多一「奇跡のパターでこのスコア」
大会2日目にまたいだ第1ラウンドは、ボギーなし。
この2日間でボギーはひとつにとどめ、通算5アンダーは暫定3位タイ。
好位置での決勝ラウンド進出にも「明日からはもう駄目です」と、弱気なコメントしか出てこないのは、もともと謙虚な性格のせいもあるが、実は練習日に先輩から言われた言葉を引きずっている。
現地ウェイティングで出場の出番を待っていた水巻善典に言われた。
「今週、多一の優勝はないな」。
ショットが絶不調。
「そんなショットでは無理だな」と言われて、言い返せなかった。
「ホントに調子悪いですから・・・」。
散らばるショットを「奇跡的なパター」でカバーしている。
「4〜5メートルのパーパットを必死で入れてどうにかこのスコアですから」と頭をかいた。
昨年は欧州ツアーに本格参戦。
しかし準シードすらとれず、打ちのめされて帰国した。
「あれは…もう立ち直れそうにないと思った」と振り返るほどの打撃を払拭できたのは、昨年11月に挙げたツアー通算6勝目。カシオワールドオープンだった。
シーズンぎりぎりに自信を取り戻せたことが、大きかった。
結果は無残だったとしても、気候の過酷なヨーロッパで転戦したことは、貴重な経験。
「向こうで半端ない雨風の中、やってきたことが少しは役に立っているのかな」。
悪条件下の好スコアに、ちょっぴり胸を張った手嶋。
幸先よく開幕戦でのツアー通算7勝目で、水巻の預言を覆したい。