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ANAオープン 2008
39歳の藤田寛之が「遼くんがまぶしい」
たまたま同じ週に、道内で所属メーカーのイベントがあるとはいえ、ことあるごとに貴重な時間を割いてくれる姿勢には頭が下がる。
少しでも師匠の恩に報いたいと、本戦までに練習場で調整を重ねた甲斐はあった。
「まだまだ、満足いくスイングは出来ていない」と、自分にダメ出ししながらも、5アンダーは4位タイ。
しかし、早くもヘトヘトだ。
今年39歳。
40歳を目前に控え、最近はめっきり無理がきかなくなった。
オーバーワークが体に如実に出る。
「練習しすぎた週は、最終日まで持たなくて」。
しかし自分の中ではゴルフはまだまだ発展途上で「もっともっともっと上手くなりたい」その一心で
練習場に向かうが、それもほどほどにしておかないと、試合に差し支えるようになってきた。
そんな状況だから、この日同組でまわった石川遼が藤田にはまぶしくて仕方なかった。
無尽蔵の体力。
伸び盛りの17歳。
「やればやるほど上手くなっていく感じ。コースに真正面からぶつかっていく姿勢。まだ真っ白・・・という感じがほんとうにいいなあって」と刺激を受けつつ、自分を省みて「そろそろくすんで、グレーになっていくのを必死で漂白するような・・・」と、苦笑したが、灰色には灰色なりのプライドもある。
同じ組で回った篠崎紀夫は2アンダー。
同い年のディフェンディングチャンピオンを見るにつけ、つくづくと感じた。
「グレーにも良い味がある。今日のプレーにも、それがお互い出たと思う」。
重ねた年齢と経験で16歳を凌駕して、身長168センチの“小さなバイキング”が胸を張った。