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ブリヂストンオープン 2008
片山晋呉が連覇を視野に
先週の日本オープンは全身全霊をこめて、超・難コースに立ち向かいツアー通算25勝目。
何度もチャンスを逃し続けて、「今年中は無理かもしれない。そうなったら、相当かっこわるいし、すべてが狂う」。
そこまで思い詰めていた、史上7人目の栄冠だった。
先週のうちに気力も何もかも使い果たして「今週は静かにやります」。
あまりのダメージに、連覇への闘志を失ったかとも見えたが、きっちりと立て直してきた。
前半5アンダーで折り返して伸び悩む最終組をゆさぶった。
ドッグレッグの16番パー5はスプーンで刻みながら、残り250ヤードの第2打を2オン。
本人は「ドライビングディスタンスでいつも後ろのほう」と嘆きつつ、この日最終18番パー5のティショットは300ヤード。
またしても2オンに成功し、楽々バーディで締めくくった。
5月の日本プロから5ヶ月かかって手に入れた悲願の永久シード権。
日本最高峰の舞台でそれを勝ち取り自信にならないわけがない。
疲れ果てた体の中からジワジワとしみ出してくる。
「あのコースで技術的にも、精神的にも重いものを背負いながら出来たのだから、次も出来るものと思ってやれる。肩の荷も下りて、すべてが解き放たれた感覚がすごくある」。
大きな壁を突き破ったことで、また新しい引き出しが出来た。
先週の我慢比べから一転、今週のバーディ合戦へ。
がらりと変わったゲーム展開にも難なく対応できる。
「ショットも、パットも不安なく打てる。すべての面で、先週よりレベルが上がっていると思える。今のゴルフなら、マスターズで20位内には入れる」と言ってのける好調さだ。
「また明日、ここでどれだけ強さを見せつけるか、です」。
最終日、もっとも怖い存在だ。