Tournament article
カシオワールドオープン 2008
津曲泰弦は初シードとドライビング王を目指して
いよいよ迎えた最後のチャンスで、一発逆転の初シード入りを狙うのがプロ3年目の22歳、津曲泰弦(つまがりたいげん)だ。
ファイナルQTランク24位の資格で初の本格参戦を果たした今年は、7月の「長嶋茂雄INVITATIONAL セガサミーカップ」で自己ベストの3位タイ。
まして最終日はミスターから直々に、もっともアグレッシブに攻めた選手に贈られる「長嶋茂雄賞」の表彰を受けて感無量…。
当時の賞金ランクも45位につけ、「完璧に決まったと思った」。
初シード入りをモノにした、と喜んだのもつかの間だった。
そのあと「あれよあれよと落ちて、いまは77位…」と、苦笑いでうなだれる。
今秋のトーナメントは新規の3試合を含めて、賞金総額が軒並みアップ。
しかし「どれも4000万円の大会で落ちてしまった」。
まるで自ら選んだかのように、ツアー最高額の2億円の大会で予選落ちをした。
足踏みしている間に下位選手に次々と抜かれ、とうとう“圏外”に弾かれてしまった。
今年は、シード権が与えられるボーダーラインの上位70位までの選手のうち賞金ランク36位につける丸山茂樹と、同63位のブラント・ジョーブが米ツアー参戦による義務試合数不足でランキングの対象外。
また同56位につける永久シード選手の中嶋常幸も、シニアツアーとの掛け持ちにより、義務試合数に満たないためやはり対象から省かれる。
だから現在のところ、1156万1066万円を稼いでランク73位につけるスコット・レイコック(豪州)シード権の目安となる。
津曲とは115万1133円差。
その前後の選手との兼ね合いもあるから、今週は最低でも10位内につけたい。
「とにかくもう、行くしかない」と、気合い十分。
「プレッシャーを感じてる場合でもない」と、頼もしい。
しかし今週は、出身校の山口県・萩国際大学から9人の学生が、大会のお手伝いに来ている。
写真(左)は今週、宮本勝昌のキャディバッグを担ぐ野本貴弘さん。
後輩の笑顔を見るなり、「緊張するとすれば、コースでお前らの顔を見たとき」と苦笑した。
「先輩、頑張ってください」と野本さんからさっそくエールを受けて複雑な表情を浮かべつつ「落ちたらしょうがない…。もう今週は、そのくらいの気持ちでやるよ!」と、力をこめた。
そんな津曲には今週、もうひとつ発奮材料が。
現在、平均296.87ヤードを記録してドライビングディスタンスで1位につけているが、同2位の小田孔明とはわずか0.21ヤード差しかない。
「孔明さんがギブアップというくらいの差はつけておきたい」。
今週は、豪快なプレーで一気に2つの目標を手に入れる!
津曲泰弦(つまがりたいげん)
1986年5月15日生まれ、宮崎県出身。父・義弘さんの手ほどきで、9歳からゴルフを始める。同時に少年野球チームにも在籍していたが「ゴルフのほうが面白い」と、プロゴルファーを目指した。
2006年にプロ転向。昨年のファイナQTランク24位の資格で今季より本格参戦。
今季は7月の「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップ」で3位に入り、初シード入りを確定させたかに思われたがそのあと思うような結果が残せず現在ランクは77位。
飛ばし屋の22歳は身長187センチ、体重85キロの大型選手だ。
プロ転向当時は山口県の 山口福祉文化大学だったが、試合に専念するため中退した。