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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2008
片山が、矢野東がツアー最終戦を盛り上げる!
やんやの大歓声。
それを引き継ぐように、今度は矢野だ。
1番で残り120ヤードの第2打をピッチングウェッジで2メートルにつけた時点で心に決めた。
「このバーディを決めたらボールを投げてみよう」。
以前から、頭の片隅にはあったことだった。
本人は「静かにプレーしたいタイプ」というが、それではギャラリーを楽しませることは出来ない。
「味方にも出来ないしね」。
それだけに、思案していたことではあったが果たしてど真ん中から決めて、予想以上の反響に嬉しくなった。
「僕も楽しかったし、ギャラリーのみなさんにも喜んでもらえた」と、確かな感触を掴んだ。
前組は石川遼。
「ほとんど、(ギャラリーを)持っていかれるんだろう」と思っていたが、「たくさんの人が僕らの組にもついてくれたので」。
ますます嬉しくなって前半は、観客との境界線が遠かった6番以外、バーディを奪うたびにギャラリーに向かってボールを投げ続けた。
それにつれて、ゴルフの調子はますますうなぎのぼりに。
ギャラリーに喜んでもらうたびに、スタート前の練習場では調子が悪かったショットも次第にフィーリングが良くなっていったのだ。
この日、バッグに入れてきたボールは1ダース。
万一を恐れた専属キャディの小岸(おぎし)秀行さんに、「もう投げないでください」と言われて後半から思い止まったが、そのあといくつかチャンスを外し「おぎちゃんのせいで、バーディが止っちゃったじゃない」と冗談交じりにむくれたが、通算6アンダーは2位タイスタート。
いよいよツアー最終戦は賞金王も決まってしまい、あとのお楽しみは優勝争いだけとなったが「1年を締めるイベント的な試合でもある」。
1年間、応援してくださったギャラリーのみなさんに、感謝の気持ちを示す場でもある。
「明日はバッグに18個入れて、バーディを取るたびに毎ホールで投げる」と決めている。