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日本プロゴルフ選手権 2008
藤田寛之「先週の勢いは衰えちゃったけど」
「でも、これでようやく吹っ切れました」。
史上初となる海外での開催で鬱憤を晴らして笑顔で帰国したが、一抹の不安もある。
それは、今月分の携帯電話の請求書だ。
いまや世界中、どこにいても話ができるようになった。
「便利になったのは、非常に良いことなんですが・・・」。
海外通話は、着信側にも電話代がかかる。
高額な請求が来ないよう、あらかじめ限度額が設定できるようになっているが、「肝心なときに、家族と話せなくなったらまずい」。用心深い藤田はあえて、5万円から10万円に引き上げて出発した。
それが、かえってあだとなった。
最終日は祝福のベルが鳴り続け、電話とメールを併せると100本以上。
翌月曜日に帰国すると、自宅は花と電報で埋まっていた。
「こうしてみなさんにお祝いしていただけるのは本当に久しぶりで。とってもありがたいことなんですが、来月はいったいいくら請求が来るのやら・・・」と、嬉しい悲鳴だ。
「・・・せめて、5万円のままにしとくべきでした」と、苦笑した。
そんな藤田は休む間もなく13日(火)に、大会の地元・群馬県高崎市内のイベント会場で行われた前夜祭に出席。
そしてこの日水曜日は8時から練習ラウンドをこなした。
先週の勢いのまま、5年間シードが得られる念願のメジャーVと行きたいところだが、「さすがに今週は疲れちゃって」と言いつつも、本音がポロリ。
「勢いはすっかり衰えてるけど、こういう時のほうがかえって力が抜けていいのかも・・・」。
それに、2週連続Vなら電話代の心配も一気に吹き飛ぶ。