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エバーライフカップチャレンジトーナメント 2008

池田勇太がプロ初優勝!

今日の優勝に感動の涙はなかった。
いつもは感極まって涙を流す場面が多いが、不思議と流れなかった。
両手を大きく突き上げた顔は勇ましさを感じさせた。
「今日はやってやった。そんな気持ち。」

高校時代には、世界ジュニア、日本ジュニア2連覇(2002年・2003年)、日本学生ゴルフ選手権競技、日米大学ゴルフ選手権・国民体育大会等で優勝を果たした。
そして、プロになって1年目でチャレンジトーナメント初優勝。
その輝かしい成績からすると、順調な1勝にしか見えない。

しかし、決して本人は「そうでもない」と話す。
昨年のQTでは1ストローク足りずに、まさかのファイナルステージ予選敗退。
ツアーに出るという目標は見事に崩れ去った。
それでも「現実を受け止めないと」と、出場資格があるチャレンジトーナメントでの飛躍を目指した。

開幕から調子の良いままで臨んだ『有田東急JGTOチャレンジⅠ』。
上平栄道・上井邦浩・吉永智一との4人でのプレーオフ。ここで勝ちたかった所だが、プレーオフ2ホール目で敗退。
『望月東急JGTOチャレンジⅡ』でも予選落ち。
『Novilカップ』は5位タイに付けるものの、調子の良さがスコアに結びつかない。
「スコアが良くても課題があることもあるし、スコアが悪くても課題がないこともある」。

迎えたこの試合。
初日を2打差の首位で折り返すと、今までの優勝を再現するかのように、安定したゴルフを見せた。
2番で残り98ヤードのセカンドショットはピン横に5センチ。あわやイーグルかと思わせたショット。3番はラフからなんとか3段グリーンの手前に乗せたものの、3パットでボギーとしてしまうが、6番、9番とバーディを重ね、優勝を確信させた。
「他の選手が伸ばしてくると思ったから、こっちも負けないように伸ばさないと」。

涙が流れなかった理由については、
「チャレンジトーナメントは今年10試合あって、今は1試合1試合を勝ちに来ている。よくステップアップと言われるけど、レギュラーに負けないメンバーでエキサイティングな試合が続いている。残り5試合も勝たなければならない。その気持ちが強いからかな。」と話す。

この優勝でチャレンジトーナメント賞金ランキングで3位に浮上し、同時に『サン・クロレラクラシック』の出場権を獲得した。
「洋芝は得意だし、自分で獲得した出場は気持ち良いよ」。

表彰式のスピーチで話した「少しでも早くレギュラーツアーで優勝できるように頑張りたい」という目標もそう遠くない。

「俺はゴルフをもっと磨かないといけないし、結果も出さないといけない。チャンスはいっぱいあってUFOキャッチャーみたいな感じでしょ」と、更なるレベルアップを誓った。

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