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日本オープンゴルフ選手権 2009
大会初制覇を狙う、石川遼
ゴルファー日本一決定戦は、いつもタイトに絞ったフェアウェーと、深いラフが選手たちを悩ませてきた。
今年は、例年よりもそれぞれが緩くなっているともっぱらの評判で、それだけに昨年あれほどシビアだった古賀ゴルフ・クラブでさえ全ホール、ドライバーで攻めて単独2位につけた石川のことだ。
「テストをされているつもりで今年も14ホール、ほぼドライバーで行きたい」と話しているが、それでも選手泣かせの仕上がりは相変わらずだ。
とりわけグリーンは、片山晋呉も「外したら、寄らない。いかにパーオン出来るかが鍵になる」と話したように、面積が小さいわりにうねりがあり、しかもほどよく締まっており、日に日に速度を増しそうな気配がある。
まして、砲台グリーンの周りは芝が短く刈られ、少しでも距離感を誤れば、ラフに潜り込む。
先週は、ノーマンのキャプテン推薦を受けて、米国と世界選抜の対抗戦「プレジデンツカップ」に出場。代表メンバーとして、世界の強豪相手に3勝2敗は、メンバーの中でも最多タイの勝ち点をチームにもたらして、「最高に幸せな経験が出来た」と石川。
余韻もそのままに、前日火曜日に帰国。その日は1時間のランニングだけにとどめ、自宅で十分に休養を取り、練習日のこの日水曜日に練習ラウンドにやってきた。
18ホールの中でも石川が特に時間を割いたのが、高い球でグリーンに乗せる、ロブショットの練習だった。
今年、ぐっと活躍の場を増やした世界舞台で実感したのは、「ロブショットで大切なことは、フェースを開いて構えるとかだけじゃなく、打ちたい球の高さに合わせて最適なアドレスを作ること。そして、この体重の位置だと上がり過ぎるとか・・・そういう感覚は実践の中で経験していかないと、身につかないもの」。
そしてそれは、先週も対戦したウッズや、マスターズで回ったローリー・マキロイや、アンソニー・キムや、また米ツアー1勝の今田竜二ら、世界で戦う選手たちを見るにつけ、いっそう身につまされたことだった。
それを励みに18歳は、「今週も、とても良い経験が出来る」と、難コースに怖じ気づくというよりも、むしろそれを克服していく喜びに、胸を躍らせているふしがある。
賞金ランク1位で迎えるこのゴルファー日本一決定戦。
同2位には、先週優勝の若きライバル池田勇太が約200万円差で追いかける。
さらに3位には、連覇をねらう片山が控えている。
しかし18歳にはそれらすら、闘志を燃やす材料になりこそすれ、プレッシャーにはならない。
「僕は、追われる立場もプラスにしか考えない。賞金1位だからこそ、頑張ろうと思えるから。それに、片山さんや、池田さんのほうがゴルフ的には僕よりもうんと上で、気持ち的には追われているとは思えないですしね」と、初タイトルがかかるこの大一番も相変わらず謙虚に挑む。