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ブリヂストンオープン 2009

3位タイの鈴木亨

今週、月曜日に痛めた左手首は「素振りをしても、ほとんど痛くなくなった」と順調な回復を見せている。
「…痛いほうが、ガツガツせずにいいのかも」と、苦笑いで怪我の功名をほのめかす余裕も出てきた。

本戦直前にゴルフ雑誌のレッスンコーナーでヒントを得た石川遼のスイングも、徐々に自分のものになりつつあり、手応えも増している。

9番では、奧のラフからチップインバーディを奪った。
「女房と、パターは変えない」と自負する選手が今週、実に5年ぶりに持ち替えたピンタイプのパターは市価で「100万円はする」という高級品。
3番では10メートル、また7番では8メートルのバーディを決めるなど、新兵器の宝刀が大活躍をしてくれた。

通算9アンダーは、3位タイに浮上した43歳は「この年で、この位置でやれることは、この上ない幸せです」と、柔らかな笑みに充実感を滲ませた。

前回のツアー通算7勝目は2004年だが、優勝争いのさなかの痺れるような感覚は、まだ体の奧にうごめいていて、「すごく緊張するんだけど、だからこそ、うまくいったときの快感はこの上ない。あの独特の雰囲気を、もう一度味わいたい」と心もうずく。

会場から車で17分もかからない、千葉県の季美の森に移り住んで早11年。
引っ越した当初は、あまりに近い自宅通勤に「試合のペースがかえって乱れる気がして」。今大会では良い結果が得られなかった。

しかし年齢を経てからは、2005年に2位に入るなど、「角が取れたというか…。そんな状況も受け入れられるようになったと思う」。

前日初日も、自宅に帰ってから長男・貴之くんの塾の送り迎えをするなど、親の勤めに追われながら、そんな日々を楽しむ心のゆとりがある。
そして、会場に来ればプロゴルファーの顔になる。

自宅に隣接するゴルフコースのスタッフが、今週は日替わりで応援に駆け付けるなど、恩人の顔を見るたびに思うのだ。
「僕には、ここで活躍することが恩返しだと」。
もはやすっかり第2の故郷となった地元・千葉でのV8に闘志を燃やす。

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