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ブリヂストンオープン 2009
藤田寛之が今年2度目のぶっつけ本番で好発進
「120%、全力を出し切った」。
悔いのない戦いは、「いろんなことを考えながら、相当に酸素を使ってプレーした」と、自覚できたほど。
頭の痛みも、いわば酸素不足によるものと推測できるが、さらにその翌日からは、原因不明の腹痛に悩まされて、本戦前日の水曜日にほんの50球ほど練習場で打てただけで、本番まで完全休養を余儀なくされた。
今年2度目のぶっつけ本番。
8月の全米プロから帰国直後の関西オープンでやはり、一度も練習ラウンドを回らずに、今季2勝目を飾っている。
1打差の2位タイスタートは、あの再現か。
この日は、賞金ランク1位の石川遼とのラウンドに、思い切りの良いスイングに見ほれながらの18ホール。
「こういうショットが出来たら毎週、優勝争い出来そう」と、憧れは募るが、今年40歳のベテランは、自分の持ち味を見失わない。
トップで一度、ためを作るのが藤田のスタイル。
周囲には「それが良い」と言われるが、本人は居心地の悪さを感じていた。
「外から見るのと、僕の見る目は違うんです。本当はもっとスムーズに切り返したい」と、そういうスイングを目指したが、今度はタイミングが早くなってきて、あれほどステディなショットさえ曲がり始めた。
今週は従来どおり、十分に間を取ってスイングしたら、上昇ムードが戻ってきた。
「今週はほとんど練習していないのに、何でこんなに良いのか」と好発進にも本人は頭をひねるが、それこそがプロ17年の蓄積。
「今日のようなショットが4日間続けば」。
今季3勝目も見えてくる。