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三井住友VISA太平洋マスターズ 2009
賞金レースを争う2人が揃って4位に
常にポケットに手を突っ込んで患部を温めながらのラウンドにも限界はあった。「痛いのが3回あった」。
まず最初は15番だった。
セカンドショットがディボット跡の中。残り125ヤードは打った瞬間に思わずその場にしゃがみ込んでしまったほど。
電気が走ったような、「ジワーンとした痺れ」は次のホールのティショットまで残っていた。
「しばらくは、力が入っているのか入っていないのかが分からなかった」。
タッチが狂ったがそれでも、グリーンを大きくショートした3打目は20ヤードのアプローチを1メートルに寄せて、これを沈めた。
さらに折り返して2番の第2打はぬかるみの中にあり、水の重さでクラブが抜けず、また激しく痛んだ。
5番で、思わずつぶやく。「力が入らねえ……」。
母校・東北福祉大の阿部靖彦監督には「思い切って休んだほうがいい」と、何度もいわれている。
それほどの痛みを抱えながらも最後の9番では3メートルのパーパットをしのぎ、ボギーなしの4アンダーで上がってきた。
「出ると決めたからには痛くたって、トップ争いをするというのが今の俺に課せられた条件だから。やって当然」。
そして、何より「やっぱりゴルフが好きだから……。やりたいから俺はやる」と、男らしく言い切った。