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カシオワールドオープン 2009
石川遼が3位タイに
初日はハーフターンのインターバルで珍しく落ち込んで、ひとりロッカールームに引きこもったが、この日は元気にギャラリープラザで焼きそばといなり寿司にパクついた。
出だしの1番から波に乗った。打ち下ろしのパー4でフェアウェーを捉え、300ヤードドライブ。
練習場では出来るのに、なぜかコースでは出来ないと嘆き続けてかれこれ10ラウンド目。
「スタートから良いショットが打てたのは本当に久しぶりだった」。
朝の練習場では「最後の5、6球で、良くなってきたなと思えたのでこれがコースでも出来たらいいと」。
思い描いたとおりの第1打を放ち、幸先の良いバーディ発進に、「今日はいいのかな、という予感が持てた」という。
そのあとも、フェアウェーを歩き続けて2バーディで折り返すと、後半からは逆に緊張した。
「今までフェアウェーキープ100%なんてなかったので…」。
妙なプレッシャーは、しかし15番で吹っ切れた。
「ほんの少しだけタイミングがずれた」と、とうとうフェアウェーを外したが、しかしそれもセミラフだった。
「今日は、ラフから一度も打ってない。あれだけフェアウェーに行ったのは、生まれて初めてかもしれない。夢の中で、やっているようでした」。
ボギーも、6番アイアンの第2打でグリーンを外して「打った瞬間にミスというのはあのホールだけ」という11番ひとつにとどめ、7バーディの66は通算10アンダーで、2打差の3位に浮上した。
今週、勝ってなおかつ池田が7位以下なら石川の王座が決定するが、賞金ランク2位は約700万円差で追いかける池田勇太も故障を抱えながら、25位タイで無事予選通過を果たして望みをつないだ。
さらに、同3位で逆転の賞金王獲りを虎視眈々と狙う片山晋呉は、石川と並んで大会を折り返し3日目の同組は、決勝ラウンドでは初の直接対決だ。
しかし驚異の18歳は、まったく予断を許さないこの状況ですら「見ていて凄く面白い」と、まるで他人ごとのよう。
まさに、賞金レースの主役はいまや、テレビや新聞で顔を見ない日はないが「選手として嬉しい」と連日の報道を重荷に感じるどころか「自分がこうした立場にいれて良かったと思う。今日のニュースも絶対に見たい」と、自らが画面に釘付けに。
「これだけ放送してくださると、注目度も高くなる。皆さんに注目していただく中でプレーすることに幸せを感じます」と、気負いは微塵も感じられない。