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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2009
ジャンボ尾崎も待ちわびた、最年少賞金王へお祝いの言葉
2007年に石川が、アマチュアでツアー優勝を飾ってからというものジャンボも「いつかは賞金王になる逸材」とは予感していた。
石川がジャンボ邸に初めて顔を見せたのは、まだプロ転向前の一昨年の冬。
「そのときから身体能力、吸収力の高さ、ゴルフに対する感性の良さ、気持ちの前向きさと、どれを取っても一流の素材を持った存在だった」。
加えて、そのひたむきさ、素直さがいい。
「ひとつのことを教えると、黙々と練習し、“もういいんじゃないか”というまでやっている。集中力も素晴らしいよね」。
十分にその資質を持った選手であることは、確かにジャンボの目にも狂いはなかった。
それにしても、だ。
まだ18歳にして、軽々と自分の頭上を越えていったその勢いには、さすがのジャンボも目を見張るばかりだ。
「予想以上のところまで行った」と、驚きを禁じ得ない。
「日々の練習はプロとして当然だけど、それをやるかわからないかでは差が出てくる。質が高く、豊富な練習量は、うそをつかなかったね」と、血の滲むような日々の努力に賛辞を贈った。
「遼、おめでとう」と、心からの祝福を寄せた。
そして同時に、若きライバルをねぎらった。
石川と、最後まで賞金レースを争った池田勇太だ。
ジャンボにとって、石川の活躍以上に目を剥いたのは、池田だったかもしれない。
「一番、びっくりした。勇太があそこまでやるとは予想していなかった。あいつも本当によく頑張った」。
ジャンボと青木、中嶋の3人で王座を奪い合ったAON時代。
あのブーム到来の予感に胸が躍る。
「勇太は終盤の怪我はかわいそうだったが、スポーツ選手なら、自己管理もまた大事なこと」と課題を出しつつ、「ゴルフ界に待ちに待った2人が出てきた」。
まして石川は、最終戦の開幕前から「最年少の賞金王がジャンボさんへの敬意」と話し、池田は心底、ジャンボを心酔し、ウェアやしぐさなど、何から何までお手本にしている。
己の背中を追いかけてきた若き2人が頂点を争ったことも、感慨深い。
「今年のツアーをよく引っ張ってくれた」と、褒めそやしたが、通算113勝の男がこのまま黙って指をくわえて見ているわけがない。
「2人の活躍が良い刺激になった」と若々しく、「来年は俺が“最年長賞金王”と行きたい」と、ぶち上げた。