Tournament article
UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズ 2009
“地産地消”に桑原克典が舌鼓!!
「どれも美味しそうだなあ…!!」。
2006年から今大会でスタートしたエコ活動「はじめの第一歩!」。
その一環として、会場内の飲食店で出す食器を環境に優しい可燃性食器を使用するなどして取り組んできたが、昨年から新たに始まったのが、“地産地消”対策だ。
ギャラリープラザで出すメニューも、地元・茨城産もしくは近隣県で収穫された地元産の食材を使うことで、食品を輸送する際にかかるCO2の排出、いわゆる「フードマイレージ」を減らすことが可能だ。
CO2ゼロ化を目指して……。
飲食販売を担当するNIK(ニック)ジャパンの田口和弘さんが苦心を重ねてこられた結果、今年は地元産、また国産の食材料の使用率が90%を超えた。
たとえば「富山の白海老かき揚げ日本そば(600円)」に使われる蕎麦は、国産100%のそば粉を使用。地元・茨城県の「木島農場」が大会のために特別に用意してくださったものだがこれも、大会開催までに1年かけて、田口さんが何度も同社に足を運び、交渉を重ねてこられたからこそ実現したことだった。
その甲斐あって、今年は地元の食材を使用したメニューが6品も増えた。
大会初日は、その“試食会”だったのだが「どれを頂こうか…」。
まだ決めかねている桑原に田口さんは、できたてほかほかの地元・大子町産の黒毛和牛を使用した「黒毛和牛メンチかつ(300円)」をおすすめ。
出来たてのホカホカに、ソースをかけてガブリとかぶりつくと、ジューシーな肉汁が口の中に広がって……。
「ほんとうに美味い!」と、桑原はたちまち笑顔になった。
今年はギャラリープラザで出た残り物を、やはり前出の「木島農場」の社員の方に引き取っていただき、飼料や肥料に使っていただくことになっている。
その日の天気やギャラリー数の動向を見ながら、出来るだけ無駄がないようにと分量には細心の注意を払っている田口さんだが、それでもやはりどうしても毎日、大きなゴミ袋5個分の残飯が出ていた。
常々「もったいない」と心を痛めていた田口さんが頼み込んで、今回の回収&リサイクルが実現した。
田口さんの一連の活動に感心しきって耳を傾けていた桑原は、開幕直前の自身のエコ宣言「できることから一歩ずつ!」との気持ちを新たにした。
「ゴルフトーナメントでも取り組めることはこんなにあるんだと、改めて気づかされます。ここには、トーナメントのこれからあるべき姿があるような気がする。みなさんの努力を見習って、僕ら選手ももっともっと意識を高め、大会と自然の共生を実現させていければ」と、語っていた桑原は“メンチかつ効果”か?!
この日2日目は最終ホールで約8メートルのバーディパットを決めて、通算1オーバーで決勝ラウンドに進み、「残り2日目も頑張って、大会を盛り上げます!」と張り切っている。
そして田口さんは、今回の取り組みに協力してくださった方々に、感謝の気持ちを新たにした。
わずか4日間のイベントは、地元業者のみなさんにとっては、いわば「いちげんさん」だ。
「それでも、年1回の大会のために労を惜しまず、快く引き受けてくださったばかりか、“天気が悪かったら遠慮なく量を減らしていいから”などと親切に声をかけていただいたり…。ほんとうに、地元のみなさんの善意に支えられました」と、頭を下げていた。