子供たちのレベルは年々うなぎ登りだ。UBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズの大会3日目。地区予選を勝ち抜いた全国20校の子供たちが参加して、会場隣の東9ホールで行われた恒例の「第7回スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ」は、東京都豊島区の立教小学校が、5年ぶり3度目の栄冠を勝ち取った。
中でも同校キャプテンの堀口恵汰くん(小4)のプレーぶりは、みごとだった。
2番ホールでのアルバトロスを含む23ストロークの13アンダーは、昨年の今大会で出た記録を1打上回る日本新だ。
これには、表彰式でプレゼンターをつとめたツアーメンバーの細川和彦も度肝を抜いて、どうしても何かご褒美がしたくなった。
しかし、何も特別なものを持っておらず、被っていた帽子とこの日の第3ラウンドで使ったグローブを、気前よくプレゼントするサプライズ。
たちまち他の選手たちが、「いいな」「いいな」の大合唱。
プロの手で帽子をかぶせられた堀口くんは、まさに天にも昇る気持ちだ。
それにもまして、嬉しいのはなんといっても「みんなで力を合わせてチームが優勝出来たこと」。
堀口くんのほかに、ホールインワンが8人。
アルバトロスが3人。
今年も記録づくしの1日となったが、やっぱりスナッグゴルフの醍醐味は堀口くんもいうように、仲間と一致団結して戦うこと。
新しいお友達と出会い、チームとは関係なしに励まし合って、ひとつのゴールを目指すこと。
ルールやマナーを重んじる中で、友情をはぐくみ、何よりゴルフを心から楽しむことにある。
開会式にスペシャルゲストとして会場を訪れた中嶋常幸は、「ゴルフを通じていろんなお友達と出会い、貴重な経験をして、人生を大切に味わってください」と子供たちに訴えた。
優勝スピーチで「熱い日も寒い日も、練習を重ね、子供たちはここまで成長してくれました」と感極まった立教小学校の岡田光史・監督は、「今日出会った仲間たちと、白いボールで戦える日を、楽しみにしています」と話した。
今大会の出場資格は、小学校4年生まで。
優勝メンバーだけでなく、どの学校もほとんどの子がその最終学年に当たり、ゴルフへの移行が期待される。
この日、宍戸の森で活躍した子供たちが、本戦の舞台でツアープレーヤーNO.1の称号を狙う日がいつか来るだろうか。
まさに子供たちが激戦を繰り広げていたそのとき石川遼が、こんなエールを子供たちに送っている。
「1打1打を大切にして、とにかく元気いっぱいゴルフに取り組めば、きっと上手になれるから。みんな頑張って……!!」。
17歳の言葉はきっと、みんなの心に深く刻まれ、歴史は引き継がれていく。
スナッグゴルフでかけがえのない友情を育んだ子供たちは、大会最終日に今度は本戦の1番ティで、出場プロと一緒に手をつないで入場します。
小さな胸を夢と希望で一杯にして、プロと並んで大舞台に立つ子供たちにもぜひ、暖かい声援を送ってあげてください。
スナッグゴルフ対抗戦JGTOカップ上位成績
1位 131ストローク 立教小学校(東京都)
2位 135ストローク 森町宮園小学校(静岡)
3位 137ストローク 笠間市立稲田小学校(茨城県)
※出場全20校
※1チーム6人の上位5人のスコア合計で争います。
そのほかの記録
◇ベストスコア・東赤コース
堀口恵汰(立教小4) 23ストローク(13アンダー)※日本新記録
◇ベストスコア・東青コース
鈴木尚樹(宮園小4) 25ストローク(11アンダー)
奥貫颯(加良部小4) 25ストローク(11アンダー)
平井駿希(藤が丘小4)25ストローク(11アンダー)
◇ホールインワン
渡辺真悟(中丸小4)
河原翼(友部小4
手口若菜(稲田小4)
小川登司(三ツ城小4)
中野月音(稲田小4)
岸本大地(塩屋小3)
大塚麻由(塩屋小2)
堀内龍(宮園小4)
◇アルバトロス
堀口恵汰(立教小4)
菊池啓亮(友部小4)
佐伯響子(坂城小4)
三枝俊介(西小4)
大会全成績は「こちら」をご覧ください。