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サン・クロレラ クラシック 2009

ブレンダン・ジョーンズは「次は絶対リベンジするよ」

3打差の3位からスタートした最終日は、ボギーなしの65。勝った石川に、「最後は僕がたまたま入れましたけど、内容は僕の負けでした。BJ(ジョーンズの愛称)は素晴らしい選手です」と言わしめた完璧なゴルフ。序盤から、ぴたりと17歳をマークした。後半から1打以上のリードを許さず、最後までプレッシャーをかけ続けた。

緊迫の大接戦を演じる一方で、持ち前の明るさでいっそうゲームを盛り上げた。
ときおり、石川に笑顔で話しかける。
胸のすくようなドライバーショットに感嘆の声をあげ、「遼が今の僕の歳だったら、今のようには絶対に打てないよ!」と言って笑わせる。

バック9は石川がバーディを奪えばジョーンズも取る。
ジョーンズが取れば、石川も奪う。
攻防戦のさなかに、冗談交じりに言う。
「遼はもうそれ以上(バーディを)取らなくてもいいよ」。
「やだやだ・・・取るよ!」。
そんな他愛ないやりとりさえ、白熱したゲームのスパイスとなった。

16番でいよいよ石川を捉え、タイで迎えた最終18番。
ティショットを打って、揃って入れたバンカーに向かって一緒に歩いていくときだ。
石川に言った「楽しいでしょう?」との問いかけは、そのままジョーンズ自身の思いを表していた。

「バンカーからのショットは、僕のほうがライが良かった」と石川は振り返る。
前方のへりに近い位置から、「それでもBJは、チャンスにつけてきた。底力を見せてもらった」と、石川が感嘆した手前4メートルにつけたバーディパットは惜しくもカップを外れ、最終ホールで涙をのんだが、「勝てなかったことにはとてもがっかりしているけれど、今日はとても楽しかったよ」と爽やかに笑ったジョーンズ。
悔しさをこらえ、2.5メートルのバーディパットを決めた石川をたたえ、両腕できつく抱きしめ、その肩を何度も叩いた。

「遼は日本一の選手だと思う」と最高の賛辞を寄せたジョーンズは、「でも、次は絶対リベンジするよ」。
ニヤリと笑った。

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