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関西オープンゴルフ選手権 2009
富田雅哉が首位キープ
しかし、実際にはラフの中に埋もれて止まっていた。
この日、最初に胸をなで下ろした場面。
「ほんとうについてるんです。今日のスコアはたまたまです」。
初日から、何度も言い続けている台詞をやっぱりこの日も繰り返したが、そう言わざるをえないほど、確かに今週の富田には、ツキがある。
1番のほかに、ティショットを大きく左に引っかけた8番や13番、15番でも。
「そっちに打っちゃいけない、というホールでしっかりOBに向かって打っていってるんです。そのたびに木に当たって出てきて“ああ良かったあ”みたいな……。なぜかボールがみんな、OBゾーンより中にあるんです」。
再三、ピンチを迎えながら、ひやりとした13番も15番もちゃっかりバーディで上がり、しかもこの日はただ一つのボギーもなしに「ラッキーゴルファー。このスコアで上がれているのが不思議なくらい」と目を剥いた。
ツアー通算2勝目の鍵を聞かれた富田は「明日も運で。実力よりも、運でカバーです。今回で使い果たします」と、冗談めかして笑ったが、その思いは真剣だ。
4月のつるやオープンで涙の初優勝をあげて以降はいまいちパッとせず、「富田はガソリン切れ」という声が、どこからともなく聞こえてきた。
「自分にも、自覚があった」というだけに、けっこう堪えた。
この2週間のオープンウィークは、今まで以上にスイングの調整に熱が入ったものだ。
まずは実力ありきの世界で雑音を吹き飛ばすには、とにかく結果を出すしかない。
最初の優勝は逆転V。今回は追われる立場と逆パターンに、「ここまで来たら、もうガンガン行くしかない。明日は、気合いと根性で頑張る」と、力を込めた。