Tournament article
The Championship by LEXUS 2009
武藤俊憲は「最終的に、自分が一番上にいられたらいい」
パットがことごとく、カップに弾かれた。そのため18番までにスコアが動いたのはボギーを打った9番ホールだけと、大いにストレスのたまる1日は、「経験が邪魔をした」という。
微妙な位置に切られたピン位置に加え、乗せたラインが難しいところばかりで、過去のデータにこだわりすぎて、深読みしすぎた。
以前、知人に言われたことがある。
「武藤俊憲というパソコンがあるとしたら、データが多ければ多いほど、立ち上がるのが遅くなる」。
まさに、この日はその通りで「立ち上がるまでに、いろんなデータが出すぎてしまって。古いデータを処理しきれなかった」という。
イーブンパーと伸び悩んだが、この日のラウンドには収穫もあった。
初めての丸山茂樹とのラウンドは、米ツアー3勝の実力者でさえ深いラフやグリーンに苦しむ場面を目の当たりにして、「丸山さんでも手こずるんだから、僕がアプローチで寄らなくても当たり前」と、優勝争いに張り詰めていた気持ちが楽に。
また、独特のオーラにも感動した。
「丸山さんは、打つんだという雰囲気を出すのがものすごく上手い。回りの空気を全部、自分のものにしてしまう」と、参考に出来る部分が大いにあった。
通算9アンダーの3位タイは、同スコアのパースキーが先にホールアウトしていたため最終組からも弾かれてしまったが、「最終的に、自分が一番上にいられたらいいのだから」。
2打差で追いかける最終日こそ古いデータは削除して、一番新しい勝利をインストールする。