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東建ホームメイトカップ 2010
石川遼は予選落ち・・・
2010年度のジャパンゴルフツアー開幕戦で石川遼が、2日でコースを去った。
前年度の賞金王が、開幕戦で予選落ちするのは記録の残る1985年以降なら、2007年の谷口徹以来3人目。
2日目も、相変わらず大勢のギャラリーを引き連れた18歳は、その若さで責任感の強さも人一倍。
もちろん、しょっぱなから優勝争いをするつもりで乗り込んできた。
周囲も、それを望んでいた。
しかし、期待に応えることが出来なかった。
「僕自身も、また来てくださった皆さんもきっと、待ち望んでいらした開幕戦。悪いなりに、耐えてやりたかったが良いプレーが出来なかった。何がなんでも予選通過するという粘り強さが足りなかったということは、やっぱりプロ意識に欠けるのかな」。
同組でまわった池田勇太が初日の9オーバーから執念の決勝進出を決めたことが、その思いに拍車をかける。
「池田さんとまわらせてもらうといつも、プレースタイルや攻める姿勢など勉強になることばっかりで。僕も池田さんのようなプレーがしたかった」と、唇を噛んだ。
2年目のオーガスタに置いてきた後悔は、後半の9ホールで予選カットを意識して守りに入り、「最後まで攻めのゴルフが出来なかったこと」。
反省から「今週はアグレッシブに行く」と心に誓ったが、それも有言実行とはいかなかった。
「初日よりは、数打減ったけれども今日も前半の7、8番や、後半12番、17番のティショットとか・・・・・・」。すぐに思い出すだけでも、「気持ちで逃げていたショットはこんなにもある」。
さらに、そのほかにも「15番のバーディパットとか、11番のバーディパット。10番のパーパットとか。数え切れないほど打ち直したいショットがある」。
後悔と反省の2日間。
「最近では、いつも見つかるのは課題だけ。挙げ始めるとキリがない。全然練習どおりに出来てない」と溜息を漏らしたが、それも数年先を見据えてのことだ。
「いまは休むんじゃなく、練習がしたい」と漏らした石川の脳裏にはいま、インパクトで左の伸び上がりを抑えるスイングや、課題のフェードボール習得のほかに、2番アイアンの攻略があるようだ。
この日も、9番、15番のティショットで使ったように、今までの何がなんでもドライバーで攻めてというスタイルに加えて「2番アイアンで飛距離を出して、フェアウェーをキープする」。その必要性を感じているという。
「いま230〜40ヤードの飛距離を、250〜60ヤードまで伸ばせばティショットでも使えるホールが多くなるはず」と活き活きと語る表情からは、もはや予選落ちのショックも消えて、遥か遠くを見据える視線があった。
「もう少し我慢して練習すれば、試合でも良い結果が出るはず。来週は多分、大丈夫です」と、はにかんだ笑顔にもはや、不安の色は見られなかった。