賞金王の自覚と、期待に応えたい一心と。すべてがないまぜになって、この日２日目は「他の選手のプレーを待つ時間も苦しかった」という。

まして、同組の青木功がこの日、スタート前に棄権を申し出たことで、兼本貴司との２サムに、普段よりも余計にインターバルの時間が余ってしまう。

それだけに、カットライン上の通算２オーバーから３オーバーの間をさまよっていた間は特に「つらくて長くて。出来るだけ、プラスのことを考えるようにしていた」という。

それだけ「なんとしても、通りたかった」ということだ。
先の日本プロから数えて２試合連続の予選落ちだけは、絶対に避けたかった。
「４日間プレーしなきゃ、上達もしない」。
それだけを強く思って、プレーしていたという。

しかも、今年の会場の狭山ゴルフ・クラブは石川の地元でもある埼玉県での開催だ。
「応援してくださる方もいらしゃる。４日間戦わないと、大会も僕も盛り上がらない」。
その一心が池ポチャの９番など、薄氷のパーセーブでも、ガッツポーズを握らせた。

自らに重く課したノルマを辛くもクリアして、「本当にホッとしています」と胸をなで下ろした。

２位タイにつけた驚異のアマチュア、浅地洋佑くんはこの春、石川が巣立ったばかりの杉並学院高の２つ後輩。
「せっかく洋佑が良いプレーをしているのに、追いつけそうにないのは申し訳ない」と先輩は恐縮しきりで、「最終日には追いつけるように頑張らないと」と、肝に銘じていた。

• 石川 遼
• 青木 功
• 兼本 貴司