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VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント 2010
単独2位の松村道央は「そろそろ結果を」
8時10分スタートは、まだ真夏の芥屋もそれほどの暑さではなく、「日傘を一度もささずに済んだ」と、1番で右4メートルのバーディを契機に、まだ比較的涼しいうちにスコアを伸ばした。
今週から使い始めたという、クラブ契約先「タイトリスト」のニュードライバーのフィーリングも良く、安定したショットと好調のパットで上がり2ホールでは、連続バーディ締めだ。
このオフ、谷口徹の恒例の宮崎合宿に参加して以来、「ハッパをかけられていますから」。
普段、温厚な選手には珍しく、最後にガッツポーズが飛び出したのも、アグレッシブな選手に教えを乞うてきた影響だろう。
そして7アンダーは、午前組のホールアウト時点でトップにつけたリーダーを、目ざとく見つけて声をかけてきたのはツアーの“ファッションリーダー”だった。
「松村くん! 髪の毛、切った甲斐があったじゃない」とは矢野東。
「ありがとうございます! 本当にそうだと嬉しいのですが」と笑顔で応えた松村。
「でも僕は、前の松村くんの髪型のほうが好きだったなあ」と、矢野。
「ええっ?! 前のは、地味だったって、みんなから散々・・・」。
「いやあ、僕はあのボサボサとした感じが好きだったよ」と、好き放題言って、矢野はロッカーに入ってしまった。
取り残された松村はどこか解せない表情だ。「新しい髪型、気に入ってたのに・・・ダメですか?」と、去っていくその背中に寂しそうにつぶやいたが、すでに矢野の耳には届かず。
仕方なしに、自らに改めて言い聞かせる。
「今日はイメチェン効果です」。
開幕前日は25日の水曜日に、襟足は短く刈り上げながら、トップにボリュームを持たせたおしゃれなスタイルにしたばかり。大会の地元は福岡出身のプロ、諸藤将次の紹介で、「福岡いち上手い」という美容師の手で、華やかに変身をとげての会場入りだった。
「美容師さんにお任せしたのですが、思い描いていた通りの髪型にしてもらって。いい気分!」と、初日から久々の好発進につなげた。
2年前から、アスリートのためのウェアブランド「アンダーアーマー」のサポートを受けて、身体も一新。
2006年のデビュー当時は少しぽっちゃり体形も、同社専属のトレーナーの指導を受けて、ランニング中心の生活で今や、「久しぶりに会う人、会う人、“痩せたね”と言われる」。
髪の毛から足先まで。全身生まれ変わった27歳は、「お世話になっているみなさんのためにも、そろそろ結果を出したい」。同社が協賛社に名を連ねる今大会で、恩返しの初優勝を狙う。