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〜全英への道〜 ミズノオープンよみうりクラシック 2008

岩田と甲斐は、日本予選ランク上位2人の資格で

全英オープンの出場権を勝ち取った選手たちとの記念撮影で、R&Aから受けた選手章がポケットからなぜか、なかなか出て来ずに大慌ての岩田
まさに大きな最後のひと振りだった。インスタートの最終9番。「ピンの右を狙え」とのキャディの言葉を吹っ切って「こっそりとピンを狙った」と打ち明けたのは岩田寛だ。

「狙っていかないと、なんだか逃げているようで…」。

リスクを承知で、果敢に攻めた甲斐はあった。
8番アイアンで打った残り160ヤードの第2打は、手前から3バウンドでカップに吸い込まれた。
普段、めったに感情を表に出さないことで評判の選手が、珍しく握ったガッツポーズ。

このパー4でのイーグルが、初のメジャー切符を確実なものにした。
通算11アンダー6位タイの賞金448万5000円は、当初全英オープン日本予選ランク実質1位につけていた甲斐慎太郎を抜いてトップに。

実は、今大会開催前の甲斐との賞金差309万4966円には「ちょっと厳しいかな」と、思っていたという。

しかし、その甲斐が予選落ちしたことで、がぜん色めき立ったのが本人よりも周囲だった。
トップ10入りすれば、全英オープンに行ける。
そうたきつけられても「うっせ〜な」と迷惑がってはいたが、それも表向き。
自分自身も次第にテンションが上がって行くのを感じていたという。

「今週、自分を盛り立てていたのはやっぱり全英」と、打ち明ける。
そして、もちろんツアー初優勝。
上位4人とか、トップ10入りとか中途半端な目標ではなく、「優勝を狙ってプレーしていた」。
そんな姿勢が、最終ホールのスーパーショットを引き出した。

初のメジャーは風とブッシュのリンクスコースだ。
「普段から低いボールを意識しているので、それを試してみたい」。
さっそく課題を口にしていた。

一方、そんな岩田の奮闘ぶりを、ただ自宅で見ているしかなかったのが甲斐だ。
濃霧のため、前日の第3ラウンドの残り競技の再開が遅れたことで、自宅で見ていたテレビ中継は最終結果を待たずに終了してしまったが、会場にいるクラブメーカーのスタッフからの電話速報に一喜一憂していた。

岩田が6位につけたと聞いた時点で一度は諦めた。
しかしそのあとマークセンが、4連続バーディで一気にリーダーボードを駆け上がったことで、がぜん可能性が出てきた。
マークセンが今大会の上位4人に入れば、そちらの資格が優先されるからだ。
「頑張って欲しい…!!」。
祈る思いで知らせを待ち続け、辛くも出場権を手にした甲斐は「まだ実感がないけれど、素直に嬉しい! 良い勉強が出来ると思う」と、電話の向こうで喜んでいたという。




  • 週末は”自宅待機”の甲斐は辛くも初切符をゲットして「素直に嬉しい!」

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