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つるやオープンゴルフトーナメント 2008

岩田寛「いまは何にも考えられない」

涙をこらえて18番ホールを引き上げる岩田(右)。「いまは何も考えられない…」
日没サスペンデッドの影響で、2日目、3日目と日をまたいだ第2ラウンドで63をマークした岩田は、㈱アコーディア・ゴルフ提供のベストスコア賞50万円の表彰対象選手だったがショックの大きさは、周囲の目にも見てとれるほどだった。

スタッフのはからいで、やはり同日に同スコアをマークした宮里聖志が表彰式で、代表して賞金を受け取ることになり、岩田はホールアウトしたその足で、クラブハウスに引き上げた。

コーチの江連忠に肩を支えられながら、うつむき、何度も目頭を押さえ、懸命にこらえていた涙は、頭を冷やすためにひとまず駆け込んだロッカールームで止まらなくなった。

号泣…。

念願の初優勝は、もうそこまで見えていた。
15番から連続バーディを奪って2位と2打差。
次の17番パー5は、チャンスホールだ。
追いかけるSKをも「岩田くんはまだ2つ3つ伸ばす可能性がある」と、一度は完全にあきらめさせたのだ。

不運はその17番。クリークで打った残り226ヤードの第2打は「完璧な当たりだった」が、ボールはグリーンをはねて、奥の木の根元へ。そこから出すには、テレビ中継のやぐらが邪魔になる。
救済を受けて、ドロップすることができたのだが、悲劇は次のアプローチだった。

ジャストタッチでベタピンに寄るかと思われた第3打は、急傾斜をゆっくりと転がり落ちて、最後にポチャリ…。池に沈んだ。

「優勝は、特に意識していなかった」という。
「でも、冷静ではなかったかもしれない」と、振り返った。

しかも、悪夢はこれで終わりではなかった。
SKと並んで迎えた最終18番は、右の林に打ちこんだ第2打が到底グリーンに届かず、第3打もグリーンをとらえることができず、あがり連続のダブルボギーの敗退に「今は何にも考えられないです…」。

ロッカールームにこもって約10分。気を取り直して報道陣の前に現れたものの、言葉少なだった。

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