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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2000
「シンゴ、大丈夫だよ」
プレッシャーの中、片山の支えとなったのはこの言葉、「シンゴ、大丈夫だよ」。
最終日の朝、教え子のV争いを見届けにやってきたコーチの江連忠(=写真右)。約 2ヶ月ぶりに片山は、会場でスイングチェックをしてもらったのだ。
いつもなら、たくさんのアドバイスが返ってくるはずだった。だが、この日はたったひとつだけ。
『インパクトで強弱するんじゃなく、全部、振り幅でコントロールしなさい、あとは大丈夫。何も問題ないよ、シンゴ』
「こんなこと、珍しいんです」と片山。「これで安心してスタートホールに立てたんですね」
1番パー4で、いきなり3パットのボギー。2位の宮瀬と並んだが、5年来、信頼関係を結んできたコーチの一言が、片山を支えた。
3番で、上りの1.5メートルのバーディチャンス。
「普通に打てば入る、というパット。あれが入っていなかったら、もっと展開は悪くなっていたはず」。
続く4番では8メートルのバーディチャンスも沈め、「これで、今日は僕に流れがあるのかな、って思えた。江連さんのおかげですね」
最後まで、コーチの教えを実戦することで、片山は、勝機をつかんだのだ。