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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2006
逆転シード入りを狙う選手たち
賞金ランク77位の選手会長・横田真一ほか、圏内にはまだ遠く及ばない、賞金ランク81位の田島創志や同92位の桑原克典、同95位の宮瀬博文、99位の兼本貴司らが、逆転シード入りを狙える好位置で決勝ラウンドに残ったからだ。
横田はこの日、17番で6メートル、18番で3メートルのバーディチャンスを決めた。
あがり2ホールで一気に4位タイに浮上したが、「まだ、ようやく折り返し地点」と表情は厳しいままだ。
95年のデビュー以来、シード権を失ったことはなかった。
「自分が、試合に出られなくなるなんて考えたこともなかった」。
ここ数年は、6月ごろまでには必ずシード権を確定させていただけに、「こんな気持ちになったのは初めてです・・・」。
シードの重みをひしひしと感じたこの1年。
「・・・明るい最終日でいたい」とのコメントにも実感がこもる。
残り2日に希望を残したのは、田島創志も同じだ。
通算6アンダー7位タイに浮上して、「ゴルフって、奥が深い・・・」としみじみと言った。
今年は、シーズン当初から自分を追い込みすぎていた。
「自分をいじめすぎて、疲れてしまった」。
いよいよ迎えたこの最終戦は、「良い意味で何も考えないことに決めた」。
予選落ちをしても良い。
パットが入らなくても良い。
バーディを取らなくても良い・・・。
これまでは「楽しくゴルフをする」がモットーだった。
「でも、今週は仕事としてゴルフをやろう、と考えたんです。仕事なら、つらいことがあっても“仕事なんだから”と思えるから」。
シード権も「取れたらいいなあ・・・くらいの気持ちで」。
次週、茨城県で行われるツアーの出場優先順位を決めるファイナルQTに行く、という覚悟と決めたことで、さらに気持ちは楽になった。
そうして迎えた最後のチャンスも「もうQTに行くつもりだから。適当にやる」。
肩の力を抜いた途端、光が見えてきた。
もちろん田島のいう「適当」とは、言葉通りの意味ではない。
自分への縛りを捨てることで気持ちに余裕を持って決勝ラウンドに臨もう、ということだ。