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JCBクラシック 2007

地元出身の岩田寛「明日も葉っぱの力を借りて・・・」

この日3日目のフロントナインは「アイアンがダフったり、トップしたり、ひどかった」。それが後半に入るなりピタリと収まったばかりか、ふいに訪れたバーディラッシュは14番から。

17番まで怒涛の4連続。キャディと一緒に、その要因を考えてみたところ「やっぱり、葉っぱじゃねえか、って…」。

それは11番パー3。ティグラウンドに上がる寸前だった。駆け寄ってきた2〜3歳くらいの男の子に「はい」とおもむろに手渡れたのが、どこかから拾ってきたのだろう。木の葉っぱだった。

思いがけないプレゼントになんとなく、気持ちが癒される感じがして大切にキャディバッグにしまったという。
「全然、知らない子だったんだけど。そのあと、急に調子が良くなって…。やっぱり、子供は何か見えない力を持ってるんだなと思いました」と、振り返る。
地元・宮城県出身。それだけに普段より応援の声も多い。男の子も、そんなファンの一人だったのだろうか。
今季初シードの岩田が地の利を生かし、通算8アンダーは単独7位に浮上だ。

今年から会場を移したここ花の杜ゴルフクラブは東北福祉大時代にもラウンドしたことがあるが「80台しか出なかった」。
悔しくて、「もう二度と回らない」とさえ思った苦手コースでの65に、成長のあとが伺える。

今週は、仙台市内から自宅通勤。高速を使えば、30分くらいでコースに着く。家に帰れば愛犬のコーギーと2匹のミニチュアダックスフンドと遊んでリラックスする。

3日目の好スコアにシニアの資格認定プロの父・光男さんも応援に駆けつけるかと思いきや、「父には、来ないでって行ってますから」。
2004年のプロ入り以来、光男さんには会場に来てもらったことがないそうだ。
「父親が来ると、プレーが適当になってしまうから」。
一生懸命にプレーする姿を見せるのが、息子にはなんとなく照れくさい、というのがその理由のようだ。

最終日は、さらに地元ギャラリーの声援が増えるだろう。
「知っている人ばかりで、逆にプレッシャーがかかってしまいそうだけど。明日も葉っぱの力を借りていきたいです」と、話した。

岩田寛プロフィール
1981年1月31日生まれの25歳。仙台出身。仙台CC所属。
身長177センチ、体重70キロ。血液型O型。
ゴルフを始めたのは14歳のとき。中学時代は野球少年。しかし、同時にスケートボードに夢中になり、仙台育英高校進学後は野球もやめて、プロを目指すつもりだった。
しかし、95年に日本アママッチプレーを制し、現在はシニアの資格認定プロの父・光男さんにそれがバレそうになり、叱責を怖れて思わず言ったのが「これからはゴルフをやります」。
きっかけがきっかけだけに、始めたころは、確かに嫌々だった。
しかし大学4年の冬、研修生としてゴルフ場に入り、真剣に練習するようになって本当の面白さに目覚めた。
日に日に上達していくのを実感できるのが楽しくて、それこそ朝から晩までクラブを握った。
いつの間にか本気でプロを目指すようになっていた。
平均飛距離は300ヤード前後。得意なクラブは「全部、と思うようにしている」という。
ゴルフの特徴は「特にない。すべて普通。しいて言えばオールラウンドプレーヤーかな」とは本人の弁。
「寛は、確かに特に特徴はないけれど、すべてにおいてソツのないゴルフをする選手。俺のちっさい版・・・という感じかな」と東北福祉大の先輩・星野も太鼓判を押す。
東京のインターミックスゴルフというブランドとウェア契約。ポップで個性的なウェアで会場を盛り上げる。


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