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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2007
シード確保に“挑む”
ましてジーブは今週のディフェンディングチャンピオン。この2試合で2人が揃って賞金ランクに食い込めば、たとえ今週は圏内で終わっても、シード落ちする可能性があるからだ。
「この忙しい時期にねえ・・・」と井戸木は左手首をさすりながら苦笑した。
大事なこの自身の最終戦に、持病の手根管症候群が出ている。
手を酷使する人によく起きるというこの症状はひとたび痛みが発症すれば、クラブを持つことすら困難になる。
前日火曜日の練習ラウンドは、あまりの痛みに途中で引き返してきた。
マッサージや置き鍼などいま出来うる限りの治療を試みて、どうにかスイングできるまでになったが、いつ再発するか分からない状態という。
「腰痛もあまりようないし、ついに46歳のツケが来たという感じですわ」と井戸木。
振り返ればすべてが、夏にわき腹の軟骨骨折したことから始まっているという。
3週間ほどで完治したとはいえ、やはりコースに出れば、なんとなくかばってプレーしてしまう。
それが、あちこちに負担をかけた。
「余計な力が入っとるんでしょうね」。
シーズン終盤にきて、体はケガのデパートと化してしまった。
その上、今週は風邪をひいてもう散々。
夏の骨折で公傷制度が適用されたから、今年の残り試合と来季の開幕から3戦をあわせた獲得賞金でシードのボーダーラインに到達すればいい。
多少の猶予は与えられとはいうものの、今週で決めてしまえばそれに越したことはない。
「どうしようもなくなったら棄権しなしゃーないですけど、とにかく性根入れて頑張ります。ひつこ〜に(しつこく)やってみますわ」。
正念場にも、いつもの人の良い笑顔は絶やさず答えた。
※今週のカシオワールドオープンで賞金ランクによるシード権確保にかける選手は井戸木のほかに、賞金ランク70位の林根基、同74位の河井博大、84位の真板潔、92位の野仲茂、95位の溝口英二、89位の市原建彦、96位の川原希、98位の加瀬秀樹らがいる。