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片山晋呉は単独4位

満員のパトロンも総立ちで、日本の賞金王をたたえた。最終18番。横から長いバーディチャンスにも片山は冷静だった。
「いつもテレビで見ていると、あそこから入れて勝つ選手が多い」。
ラインは「どっちにも切れない」。
いっさいの迷いもなく「これを入れるためにやってたんだな、と思って打った」という。

ボールがカップに沈んだ瞬間、報われた。大歓声に包まれて、晴れやかな笑顔で両の拳を突き上げ天を仰いだ。

今回8度目のマスターズで、自己最高の単独4位。
4日間とも安定したプレーを続けてきた片山は、いよいよ日曜日のバック9でチャージをかけた。
13番は2オンに成功して、イーグルトライ。
16番パー3は、「生涯最高の7番アイアン」であわやホールインワン。ピンの根本に打って、奧から決めた。
17番では長いパーパットも執念でしのいだ。

初日に続き、オーガスタで自身2度目の60台は、2001年に日本人最高の4位タイにつけた伊澤利光に並ぶ通算10アンダー。
首位とわずか2ストローク差は、もっとも優勝に近づいた日本人選手だ。

この日最終日の朝には、背中に小さな国旗のアップリケをくっつけてスタートした。
「今日は、日の丸を背負ってプレーした」という片山は「僕を応援してくれた日本国中の人が後押ししてくれました」と、感謝した。

優勝は、アンヘル・カブレラ。ケニー・ペリーとチャド・キャンベルとのプレーオフ(2ホール)を制し、母国アルゼンチンに初のグリーンジャケットをもたらした。

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