記事
キャプテン・アオキは「お前たちの好きにしろ!」
キャプテン・アオキこと青木功の指示のもと、10人2組と、変則的に分かれた練習ラウンドは、まず1組目が片山晋呉と池田勇太、そして薗田峻輔と石川遼が組んで、“仮想日韓戦”で腕試しだ。
昨年も初日と2日目のダブルス戦でペアを組み、相性の良さは実証済みの4人はインの9ホールで接戦を繰り広げて、勝負は最終18番ホールまでもつれ込んだ。
片山&池田ペアは、片山がピンそばのバーディチャンスにつけた。
薗田&石川ペアは、薗田がグリーン右奧のラフに外した。
石川がエッジから距離のないアプローチを寄せた。
池田のパットは、完全に入ったかに思われたが芝目の強いコーライ芝に、不思議な転がりを見せて、カップの逆側にクルリと回った後でカップの縁からの中をのぞき込むような、すれすれの状態で止まってしまった。
「なんで?!」「おかしくない?」と、苦笑いで呆然と立ち尽くす2人。
薗田はプレッシャーのかかるパーパット。手にぐっしょりを汗をかきながらもこれをしのいでオールスクエアにして、決着はお預けだ。
「今週の最終日に、プレーオフをやろうよ!」と口々に無茶をいう4人は、本戦を前にすでに良いムード。
そして2組目も、ひとまずペアを組んで戦った。
「とりあえず、経験者とまだ経験していない選手を組ませてみた」と青木。
藤田寛之と新顔の松村道央に、小田孔明とやはり初出場の河井博大ペア、そして2004年の日韓戦を経験している近藤共弘は、同級生の高山忠洋と相性を確かめ合った。
やはり“仮想日韓戦”で競い合い、早くも白熱した戦いを見せたが、河井と松村と高山、そして久しぶりの対抗戦となる近藤は9ホールでは飽きたらず、午後からアウトの9ホールも回ると、出ていった。
そのほかは、練習場で腰を据えて調整を図る者・・・。
「とにかく、お前たちの好きにやれ!」と青木。
「プロにはプロ同士で通じる言葉がある。片方がミスすれば、片方が補うし、本番になれば勝手にそういう雰囲気になっていく」と今年のチームワークに関しても、案じていない。
昨年、敗れた韓国チームは雪辱を果たすべく、相当気合を入れてくるだろう。
青木もメンバーたちも、ひとつ大きな壁としてとらえているのが、2大会ぶりに代表入りしたY・E・ヤンだ。
09年の全米プロチャンピオンで、今年も先の全米オープンで上位争いを繰り広げた強豪は「彼とシングル戦で当たったヤツが勝利を持ち帰れば、日本にも連覇の可能性がある」と、青木は踏んでいる。
ともかく、まずは初日だ。「いまはそのことで、頭がいっぱいだ」と言って、青木は後半の9ホールもコースに出ていった4人の組を、追いかけていった。
さて、このあとのキャプテン・アオキの采配は・・・・・・?!