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The Championship by LEXUS 2008

S・K・ホが首位タイ浮上に「母に優勝報告したい」

通算8アンダーで気分よく上がってきたSKの顔色が、たちまち青ざめた。「ほんとですか、なんで?!」。そして絶句。

社団法人日本ゴルフツアー機構の島田幸作・前会長(現名誉会長)が、11月3日(月曜日) に膵頭部癌のため亡くなった。練習場で、関係者から伝え聞くなりSKの頭にまっさきに浮かんだのは、会場で顔を合わせるたびに言われたこの言葉だった。

「いくつ勝っても安心しないで頑張りなさい。そして世界で活躍できる選手になってください」。

ツアー初優勝をあげた2002年の住建産業オープン広島の翌週、そう言って固い握手を交わしたものだ。

励ましの言葉だけではない。
心のこもったねぎらいも胸に染みた。
日本で本格的にプレーを始めた2001年。
単身、来日したSKを何かと気にかけ「大丈夫ですか、何か困っていませんか」と、折りに触れて気遣ってくれた。

「いつも優しい言葉をかけてもらって・・・もう会えないなんて本当に寂しい」と、ポツリ。

恩人の訃報に改めて思い起こされるのは、母国・韓国で闘病中の母リ・スンエさんのこと。
10年前に発病した乳がんの再発に、余命いくばくないと告げられたのは昨年末。
病院でも手の施しようがなくなって、いまはソウルの自宅で療養中だ。

最近では電話をかけても朦朧として、息子だと分ってもらえないこともある。
「それでも母はまだ生きてる。会いに行こうと思えばすぐに飛んでいける。それがどんなに貴重なことか・・・」。
しみじみとつぶやいた。

島田・前会長に最後に会ったのは、9月のアジアパシフィック パナソニックオープン。
すでに闘病生活に入っていた氏は別人のように痩せていたが、それでも口調は力強かった。
そしてもう一度あの言葉を繰り返した。

「いくつ勝っても安心しないで精進を続けてください。そして、世界で活躍する選手になってください」。

島田・前会長の最後の言葉を改めて胸に刻んだ。
そして「今年はもういちど、母に優勝報告する」と、力をこめた。

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