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僕らのツアー選手権 / SKホの選手権「宍戸で起こした奇跡編」
選手や関係者が普段、大会を話題にする際には「ツアー選手権」とか「選手権」と、呼ぶ。
大会主催のJGTOが主催するこの日本タイトル戦が、茨城県の宍戸ヒルズカントリークラブに移って2年目の2004年。
最終日を奇跡の展開で盛り上げたのが、韓国出身のS・K・ホだ。
同組で回った大親友の星野英正が16番でホールインワンを達成して、100万円を獲得したのは前日の大会3日目。
その夜、星野との食事で「明日は僕がホールインワンしてご馳走するよ」と、約束。
翌日の3番パー3でさっそく有言実行で宍戸の森をどよめかせると、通算5アンダーで並んだ近藤智弘とのプレーオフ2ホールを制して優勝。
5年シードと、海外ツアーの出場権を勝ち取った。
01年に来日するなり日本語をマスターし、翌02年の初V時にはすでに、スピーチも流暢にこなしたSK。
人懐こく穏やかな性格で、日本ツアーでもあっという間に人気を集めた。
日本で活躍する韓国勢のお手本として、後身たちをけん引。
その後、SKをロールモデルに、続々と後輩たちが日本ツアーの門をたたいた。
翌05年の「日本プロ」では連覇を達成するなど、順調にツアー通算8勝を重ねたが、16年の賞金シード落ちを機に、ついにレギュラーツアーの引退を決意。
いまは第二の人生を歩むが、「ツアー選手権」での思い出は、今も鮮やかだ。
SKが優勝した翌年から始まった、ゴルフと地元夏祭りの融合「グリーンフェスタかさま」も毎年、楽しみにしていたという。
「ほかのメジャートーナメントとは違い、会場内でお祭りが開催されるなど、楽しいイメージのある試合。ゴルフファン以外でも、お祭りを見に来てくださる方との関わりも出来て、毎年出場するのが楽しみでした」と、懐かしく振り返る。
そんな宍戸のホールインワン男にとっての「ツアー選手権」とは……?
「地元のみなさんと一緒に盛り上がれる、一味違ったメジャートーナメント。今年の中止は残念ですが、これからも、ぜひ開催の継続と発展を! いつも応援しています」。
ちなみに当時、SKのVキャディを務めたのが現在、今平周吾のエースをつとめる柏木一了さん。
今から16年も前。当時の写真から、時の移ろいを感じさせてくれます。
SKと柏木キャディとのコンビも絶妙でしたよ!