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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2015
ゴルフで福島県を元気に・・・・・・!
「ゴルフで福島県を元気に!」と、地元小学生40人にゴルフの楽しさ、奥深さを伝えるために4人のトッププロが集結した。福島県白河市のJR白河駅前のイベント広場は、まさにその会場にうってつけ。小さな駅舎から見下ろす緑の芝生は、開放感一杯の憩いの場。ここでまた、プロと子どもたちの確かな友情が育まれた。
今回、講師として真っ先に手を上げてくれたのは日本に来てもう15年になるベテランだ。韓国出身のS・K・ホはいつも考えていた。「ゴルフで何か、日本にお返しできることはないか、と」。それに、我が子はもう8歳と5歳になるというのに「ゴルフを、やってくれなくて・・・」。寂しさを隠せないお父さん。これぞとばかり手を上げた。子どもにゴルフを教えてあげられるなんてこんな楽しい機会はめったにない。仲間を連れて駆けつけた。
同い年のI・J・ジャンは、小学時代からの幼なじみだ。「僕が11歳でゴルフを始めたころにはすでに、ジャンは70で回ってた」。抜きつ抜かれつ共に頑張ってきたライバルは、すでにこの春、県の岩瀬郡天栄村の湯本小学校で“ゴルフ伝道師”を体験済みだ。
勝手知ったる友人には、ひとつお目当てもあったから、今回の講師役もふたつ返事で引き受けてくれた。
この日の参加児童の中にはほら、やっぱり・・・! ジャンにはとりわけ懐かしい顔。湯本小の星姉弟は、弟の海輝(みずき)くん! 「ジャン選手が参加すると聞いて、すぐに申し込みました」とはお姉さんの瞳月(しずく)さん。春にスナッグゴルフを教えてもらったすぐ後に、中日クラウンズで優勝した「ジャン選手」にも、やっとおめでとうが言えた。
この日も、ジャンにハイタッチをじらされて、弟がずっこけるという、湯本小のみんなには、もはやおきまりの爆笑シーンもまだあれから3ヶ月しか経っていないのに、「懐かしい・・・!!」と、ここでもまた腹を抱えて大笑いのしずく姉ちゃん。
「あなたはやっぱり一番だよ」と、相変わらずジャンは「ミズキ」にべた惚れで、念願の再会を果たして感激しきりだ。
そのほかこの日の講師陣は普段から、ホが信頼を寄せる練習仲間ばかりというだけあって、終始あ・うんの呼吸で和気藹々。「“アキオ”は家でも良いお父さんだし」。ホは貞方章男がうらやましくて仕方ない。
「アキオの子どもはゴルフをするから」。3人の子持ちは最近、我が子がコースデビューも果たしたとだけあって、本当に教え上手だ。あっという間に子どもたちと打ち解けて、新たな生きがいも見つけたようだ。
貞方の母校は、同じ奈良県出身の先輩の谷口徹のお隣の耳成西小学校。すでに谷口が、耳成南小学校に、スナッグゴルフを寄贈したとJGTOのスタッフに聞くなり、「僕もします!」。さらに仰天プランも飛びだした。「そして、いつか僕の耳成西と、谷口さんの耳成南で対決をします・・・!」。
子どもたちのために集まったのに、プロゴルファーたちは揃いもそろって大人げない。最初のパター戦は子どもたちのチーム戦も、いつしか自分たちが一番大はしゃぎで互いに、あいつに勝ったとか、負けたとか。
ガチンコ対決に臨んだホも貞方も、子どもたちのブーイングも素知らぬ顔で、全力投球・・・!
「ゴンももうすぐ結婚を控えて、お父さんになるからね」と、ホが連れてきた今回の最年少プロはK・T・ゴン。東北福祉大の元キャプテンとして、「ここ東北で、みんなと楽しく遊べて良かった」と、木曜日から始まる本戦に向けて、モチベーションも一気に上がった。
「ぜひ大会に遊びに来たら、僕らに声をかけてください」と優しい声で呼びかけた。
ここ福島県西白河郡西郷村で今年第2回目を迎える「ダンロップ・スリクソン福島オープン」は、23日木曜日にいよいよ開幕を目前に控えて、ホの気持ちも自ずと高まる。
「絶対に優勝して、賞金の半分をちょうだい!」と、子どもたちの大胆なおねだりに目を剥きながらも、がぜん闘志がわいてきた。
「半分がダメなら、4分の一でもいいよ」と、子どもたちの妙な妥協も可愛くて、この無茶なお願いを承諾するにしろ、断るにしろ「とにかく、勝たなくちゃ話も出来ない」と、腕をまくった。
週末は会場に来て、応援してくれるもよし。中継局の福島中央テレビにチャンネルを合わせてくれるのもよし。いずれにせよこの日集まった4人のトッププロには本戦を目前に、子どもたちと過ごした時間が何よりの戦う力になったのは間違いない。
追伸:今日、集まってくれた小学生のみんな!
今週は福島県で熱戦を繰り広げるS・K・ホプロと、I・J・ジャンプロ、貞方章男プロとK・T・ゴンプロをぜひ、応援してね・・・!