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小泉洋人「良いところを見せたい!」

マスターズGCクラシックで2日連続の2アンダーをマークして、通算4アンダー8位で決勝ラウンドに進んだ小泉洋人の出場が決まったのは、実は今週の月曜日だった。

昨年のクォリファイングトーナメント(QT)はサードで失敗。出場優先順位206位では、ツアー特別競技の今大会でさえ、なかなか出番が回ってこなかった。

「ラッキーなことに」(小泉)直前に欠場者が出て、土壇場でのエントリーに「なんとかチャンスを生かしたい」。
優勝すれば、7月のUBS日本ゴルフツアー選手権 宍戸ヒルズの出場権が得られるだけに、賭ける思いは誰よりも強い。

1975年2月1日生まれの32歳は、マンデートーナメントを突破したつるやオープンでデビュー。ツアーはまだこの1試合に出たきりだ。

ゴルフを始めたのは大商学園高校(旧・大阪商業高校)2年の17歳のときだった。
父・洋一さんに「一緒にやらないか」と誘われたのをきっかけに、卒業後にプロを目指した。
しかし、22歳に結婚。
妻・由紀さんとの間に一男一女をもうけたのを機に、一度は諦めた。
「生活することが先だろう、と」。
ジュニアに豪州留学を斡旋する会社に就職し、安定したサラリーマン生活を送っていたが、やはり夢を諦めきれなかった。

「退屈な毎日に刺激を求めて」自ら終止符を打ったのは一昨年。
「なかば冗談で」QTの1次予選から挑戦。
あれよあれよと勝ち進み、ファイナルステージまで駒を進めたとはいうものの、まだツアーの出場権もままならず、けして楽な生活ではないが、それでも由紀さんは反対しなかった。
「やりたいようにやればいいと言ってくれたから」。
家族の理解と支えがあってこそだ。

それでも、アマチュアにレッスンしながら遠征資金を稼ぐという毎日は、逆に利点もあるようだ。
昨年まで抱えていたパッティングの不調を解消してくれたのがほかでもない、関西のトップアマの森田廣宣さんだった。

プロから見ても、パット巧者の森田さんはこのオフ、いつもインパクトで緩んでショートする小泉に強気で打てとアドバイス。
この“逆レッスン”のおかげで、先月のチャレンジトーナメント「エバーライフカップチャレンジ」でも2位タイにつけるなど、調子は徐々に上向きだ。

今週は、兵庫県三木市のマスターズゴルフ倶楽部まで、車で約50分の自宅通勤。最終日は大阪府吹田市の自宅から、家族も応援に駆けつける予定だ。
「ぜひ、良いところを見せたい」。
二児の父が、張り切っている。

小泉洋人(こいずみひろと)
1975年2月1日生まれ、大阪府出身。大商学園高2年の17歳から父の勧めでゴルフを始め、紆余曲折の末に2005年にプロ転向。今季はツアーの出場権がなく、チャレンジトーナメントを主戦場にする。
身長170センチ、体重68キロ。趣味はスポーツ観戦。妻と一男一女の4人家族。

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