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フェアウェイキープ率に井戸木、サンドセーブは河野、トータルドライビングに松村が…!!
49歳の井戸木鴻樹がフェアウェイキープ率で、不動の1位を獲得。3年ぶり6回目の栄冠に輝いた。
賞金ランキングは81位に止まって、2年連続15回目のシード権の確保には失敗したが、そのあと茨城県のセントラルゴルフクラブで行われた予選会・ファイナルQTは6日間の長丁場を戦い抜いて、ランクは21位で来季前半戦の出場権を確保した。
正確無比なティショットで2011年こそ、ベテランの存在感をアピールしたい。
また、平均304.28ヤードを記録して、額賀辰徳が2年連続のドライビング王に。額賀もまた、シード権を失ったが来季こそ高い身体能力を生かして、ファイナルQTはランク61位からの復活を目指す。
サンドセーブ率は、河野晃一郎が60.34%を記録して、ランク1位についた。いつもニコニコ礼儀正しい選手らしく、受賞に際してもまずは真っ先に、メーカーに感謝を示した。
「特にバンカーが得意という自覚はないのですが、今年は春先にタイトリストに良いウェッジを作ってもらって。新溝の対応も万全にしていただいたり、サポートしていただいたことが、何よりデカかったと思います」。
ファイナルQTランク40位で初の本格参戦に挑戦した今季は、賞金ランクで67位に入り、初シード入りを果たしたことも、何より大きな収穫だった。
大学卒業後は単身渡米。ミニツアーを渡り歩いて腕を磨いた努力が報われた。
9月のANAオープンでは自身初の最終日最終組を経験。さらにコカ・コーラ東海クラシックでは一時、首位に1打差まで迫る活躍で、みごと初のトップ70に食い込んだ。
「来年はさらにたくさんの試合で優勝争いをして、みなさんに名前を覚えていただけるように頑張りたい」。いつも笑顔がトレードマークの29歳が、飛躍を誓った。
そして、トータルドライビングで37ポイントを獲得して、ランク1位に輝いたのが松村道央だ。まさに「飛んで曲がらない。豪快、かつ正確無比なティショット」を武器に、大暴れの1年だった。
9月のコカ・コーラ東海クラシックで、兼本貴司と藤田寛之とのプレーオフを制してツアー初優勝をあげると、さらに11月だ。
カシオワールドオープンで、早速ツアー2勝目だ。
2006年にプロ転向すると、翌年のチャレンジトーナメントで賞金ランク1位に輝いて、2008年のシーズンパスを手にした。
そして2009年には初シード入りを果たすなど、まさにトントン拍子の秘訣は何よりその研究熱心さにある。
自分のプレーが終わっても、コースに残って優勝争いをしている選手のプレーや練習を、食い入るように見つめている松村の姿をよく見かける。
石川遼や池田勇太ら、今をときめく若手からヒントを掴むのも上手で、すぐに自分のモノにしてしまう器用さがある。
このオフは、谷口徹の恒例の宮崎合宿にも参加。歴代の賞金王から得るものは大きかった。賞金ランクは5位の大躍進に、「来年、早いうちにまた1勝出来たら狙ってみたい」と、初の賞金王獲りも視野に入れる勢いだ。
そのための準備もぬかりなく、このオフは海外にも足を伸ばすつもりだ。
「谷口さんにも、いちど外でも腕を磨いて来いと言われているので」。
あまり口数は多くないが、秘めた闘志と負けん気は、師匠譲りだ。